2014年、ロシアのエネルギー政策を読み解く

中国の拡張主義を警戒するプーチン大統領、日本との関係強化の可能性も

2013.12.31(火) 杉浦 敏広
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 SKV(サハリン~ハバロフスク~ウラジオストク)天然ガスP/Lにしても、サハリンからウラジオストクまでP/Lは建設したが、現状ほとんど稼働していない。問題は2つある。

離婚費用の高額化検討、防止対策に ロシア

ドミトリー・メドベージェフ首相〔AFPBB News

 それは(1)流すガスが存在しないこと、(2)ガスを流したところで需要がないこと、である。どうしてこのようなことが起こったのかと言えば、2012年9月のAPEC開催までに、極東開発の成果をアピールすべく、政治先行で造られたという経緯がある。

 ロシアの人口は現在約1億4300万人である。うち、極東連邦管区(創設時10連邦構成主体/現在9連邦構成主体)の人口は約650万人にすぎない。

 中国の人口約13億人のうち、ロシア東シベリア・極東と国境を接する中国東北3省には1億人以上が居住している。極東地域の農業や林業分野では、既に大勢の中国人や北朝鮮労働者が働いていると言われている。

 欧州市場におけるロシアの存在感低下・市場シェア低下がプーチン大統領をして極東開発に走らせていると言えようが、ここでは他の側面も分析してみたい。

 プーチン氏は大統領就任直後に発表した文書(2012年5月7日付「外交方針に関する大統領令」)にて、「中国・インド・ベトナムがロシアの戦略的パートナーである」と指摘した。ここでの注目点は、中国とベトナムを並立して挙げたことである。

 両国は南シナ海の領有権を巡り、対立している。その両対立国をロシアにとっての戦略的パートナーとして大統領令に記載したことは、中国に対する牽制の意味合いが含まれていると考えて間違いないだろう。

 より直截的に表現した人がいる。メドベージェフ首相その人である。彼は2012年8月10日付「Daily Times」にて、ロシア極東に対する中国脅威論を次のように述べた。

 「ロシアは極東地域を、国境を接する国々による過度の拡張政策から防衛しなければならない」

 「国境を接する国々」と複数形を使用することにより一国を名指しすることは避けたが、それが誰を(どの国を)指すのかは一目瞭然であろう。ロシア首相による「隣国敵視論」であり、この発言は重いと言えよう。

プーチン大統領のエネルギー政策/ロシア極東の動き

 ロシアのエネルギー政策において2013年12月、6つの大きな動きがあった。

(1)12月 9日:ロスネフチ、エネルギー省にS-2天然ガスP/L使用を申請
(2)12月12日:プーチン大統領、年次教書発表
(3)12月17日:ロシア・ウクライナ間天然ガス価格合意
(4)12月17日:ロスネフチと米エクソンモービル、西シベリアのタイトオイル探鉱合意
(5)12月18日:北極圏ヤマルLNGプロジェクト、最終投資決定発表
(6)12月19日:プーチン大統領、拘束中のホドルコフスキー氏に恩赦表明

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Toshihiro Sugiura (公財)環日本海経済研究所共同研究員

1973年3月 大阪外国語大学ドイツ語学科卒

1973年4月 伊藤忠商事入社。 輸出鉄鋼部輸出鋼管課配属。ソ連邦向け大径鋼管輸出業務担当。 海外ロシア語研修受講後、モスクワ・サハリン・バクー駐在。 ソデコ(サハリン石油ガス開発)出向、サハリン事務所計7年間勤務。伊藤忠商事/アゼルバイジャン共和国バクー事務所6年8カ月勤務。

2011年4月 バクーより帰任。

2011年5月 (財)日本エネルギー経済研究所出向、研究主幹。2015年3月伊藤忠商事退職。現在、(公財)環日本海経済研究所共同研究員
 

ロシア

ロシアは日本の隣国にもかかわらず最も遠い国の1つでもあった。しかし両国間の経済関係が密接になる中で、ロシアを正しく知ることは不可避である。このコラムでは日本を代表するロシアの専門家が様々な角度からロシアと周辺国を鋭く斬る。

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