(英エコノミスト誌 2013年12月21・28日合併号)

インフレ率は低下しているが、債券は嫌われている。

 2014年について市場参加者の意見が一致する見方があるとすれば、それは、2013年と同様、株式が国債をアウトパフォームし続けるというものだ。だが、奇妙なのは、投資家が通常の基礎的要因を頼りにしたら、実際の証拠は逆の方向を指し示しているように見えることだ。

 株式を例に取ってみよう。株式の場合、企業利益の好調さがリターンにとって最も重要な要因だと思えるかもしれない。トムソン・ロイターは先日、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)500株価指数を構成する企業の中で、103社がネガティブな利益予想を公表したのに対し、ポジティブな利益予想を公表したのはわずか9社だったと算定した。過去最悪の比率だ。

インフレ率低下と債券利回り上昇という奇妙な組み合わせ

 アナリストたちは、第4四半期の利益見通しを急ピッチで引き下げている。ところが、この悪材料は、好調な株式市場にほとんど影響を与えていない。

 債券に関して言えば、これまでは一般にインフレ率が主な決定要因だった。物価上昇は、固定金利の利払いと元本の購買力を減らすからだ。1970年代は債券市場にとって悲惨な10年だった。

 だが、2013年の一般的なトレンドは、インフレ率が低下する一方で債券利回りが上昇するという流れだった(図参照)。これは奇妙な組み合わせだ。

 米国の消費者物価総合指数の上昇率はわずか1.2%だ。英国でもインフレ率は4年ぶりにイングランド銀行の目標である2%にほぼ戻っている状態だ。

 あまりに容赦ないインフレ率の低下で、一部の先進国はデフレに陥りつつある可能性がある。ギリシャとキプロスは、どちらも物価下落の時期が長引いている。

 ロンバートストリートリサーチのダリオ・パーキンズ氏は、国際通貨基金(IMF)が2003年に作成したデフレリスクの指数を使って、その他のユーロ圏諸国が同じ危機に直面していないかどうか評価した。それによれば、エストニア、オランダ、ポルトガル、スペインで物価が下落する確率が50%以上あった。