米国で始まった金融危機は津波のように世界を襲った。当初、被害が少ないかと思われた日本だったが、そんな甘いものではなかった。トヨタ自動車すら赤字転落という戦後最大の危機の中で日本経済の行方はいかに。
(JBpressで2008年に公開した記事の中から、編集部が厳選したものをご紹介します)

  • [本石町探偵団]

    「世界標準」となった日銀オペ 調節一流、金融政策は?

    [2008年11月18日]
    山口広秀副総裁を右腕に得て、本格始動した日銀の白川体制。いきなり利下げに追い込まれ、金融政策運営は相変わらず冴えない。対照的に、金融調節(オペレーション)の技術は世界最高水準を誇り、最近では独特の資金吸収手段である売出手形(売手=うりて)を英国やスイスの中央銀行が模倣するなど、日銀のオペ手法は「世界標準」になりそうな雲行きだ。

  • [漂流経済]

    「強い通貨」恐れる不思議の国 ~円高活かす「逆転の発想」を

    [2008年10月31日]
    「円高に悲鳴を上げる産業界」―。21世紀に入っても、為替相場をめぐるメディアの論調は相変わらず。日本経済は輸出頼みの構造から脱却できず、日銀の幹部は「通貨価値の上昇をこれほど恐れる国は類を見ない」と溜め息をつく。

  • [漂流経済]

    「解散価値」下回る日本株 PBR1割れで「買い」絶好機?

    [2008年12月02日]
    金融危機震源の米国に比べれば、日本経済の傷は浅いはずなのに、東京株式市場の株価が超低空飛行を続けている。9~11月の日経平均株価の下落率は33.7%に達し、ニューヨーク市場ダウ平均株価の23.3%よりも深刻だ。株価純資産倍率(PBR)は理論的には1を切らないはずだが、トヨタ自動車やソニー、メガバンクなど日本を代表する優良銘柄が軒並み「1割れ」を起こしている。

  • [本石町探偵団]

    “夢のコンビ”でも浮かぬ日銀 ~金融政策は大不運に直面~

    [2008年11月04日]
    10月27日、空席だった日銀副総裁ポストに山口広秀理事が任命された。ねじれ国会で迷走を続けたこの人事は、蓋(ふた)を開ければ白川方明総裁の腹心が副総裁に昇格する結果に。日銀マンにとっては「夢の正副コンビ」を戴く僥倖(ぎょうこう)だが、その表情は浮かない。

  • [ウォール街緊急報告]

    沈没寸前で巨艦救済 シティ潰さぬ米政府

    [2008年11月27日]
    「100年に1度」の金融危機に翻弄され、巨額損失処理にもがき苦しむ米シティグループ。消費者金融から金持ち向け資産運用まで手掛ける「巨艦」は、株価暴落で万策尽きた…。と思いきや、沈没寸前で米政府の追加支援に救われた。

  • [徹底解剖オバマノミクス]

    オバマ秘密兵器の正体 諮問会議で米経済再建

    [2008年12月08日]
    オバマノミクスが徐々に輪郭を現しはじめた。「ニューディール以来の規模」とも指摘される大型景気対策の立案を指示し、経済版ドリームチームのメンバーを矢継ぎ早に発表。市場に安心感を与えた手堅さに注目が集まるが、突如発表された「経済回復諮問会議」こそが、オバマ次期大統領の掲げた「変革」を実現する秘密兵器かもしれない。

  • [マーケットの死角]

    「次世代リーダー」国家に学べ 金融危機後の国際秩序

    [2008年11月26日]
    11月20日、ニューヨーク市場のS&P500種株価指数が2番底をつけ、11年ぶりの安値を記録した。わずかに残存していた世界同時不況の否定論者さえ、この日で白旗を上げたのではないか。

  • [漂流経済]

    世界覆う「逆転・逆流」現象 内海元財務官が特別講演

    [2008年12月12日]
    日本ビジネスプレスは12月10日、経済メディアサイト「JBpress」の開設を記念し、新丸の内ビル・東京21cクラブで特別セミナーを開いた。日本格付研究所の内海孚社長(元大蔵財務官)が「2009年経済展望―金融危機後の国際金融を占う」と題して講演。

  • [漂流経済]

    140兆円市場、旅行客争奪戦 「国際観光」を基幹産業に

    [2008年10月28日]
    世界貿易で自動車の輸出総額を上回る産業が、外国人旅行客にカネを落としてもらう「国際観光」だ。市場規模は140兆円に達し、中期的にも高い成長が見込まれる。各国が熾烈(しれつ)な旅行客争奪戦を演じている中、ようやく日本は観光庁(国土交通省の外局)が発足した。

  • [漂流経済]

    「ポスト金融危機」戦略なき日本 経済多極化で機能不全

    [2008年11月13日]
    来年1月20日、筋書きのないドラマ「金融危機」の第2幕が始まる。米国民は建国以来初のアフリカ系大統領を「主役」に抜擢し、経済復活の望みを託す。しかし危機が終息しても、米国が「唯一の超大国」として君臨する冷戦後のパラダイムには戻らず、世界経済は急ピッチで多極化に向かうだろう。それなのに、「ポスト金融危機」の国家戦略を描けないのが日本の実情だ。