12月12日、関西独立リーグに所属する全3球団が脱退し、事実上、関西独立リーグは消滅した。関西独立リーグは国内で3番目のプロ野球独立リーグだった。

 「紀州レンジャーズ」は、今後日本野球連盟(JABA)所属のチームとして存続を目指し、「兵庫ブルーサンダーズ」と「06ブルズ」は他の1球団とともに新リーグを作ると報じられている(当記事が人目に触れる前日の19日には、新リーグの概要が発表されるだろう)。

 経緯は、こうである。12月2日、「野球の関西独立リーグが分裂、消滅の可能性も 学校法人との提携めぐり対立」という新聞記事が出た。

 記事は以下のようなことを伝えていた。

 関西独立リーグ所属のチームの1つ、兵庫ブルーサンダーズが芦屋学園と提携し、後述する「育成軍」を作ることを10月に発表した。これに反発した日本野球連盟が「兵庫はJABA外のチームなので交流戦は見合わせてほしい」と加盟チームに通達を出した。関西独立リーグの木村武志代表は「このままでは関西独立リーグが日本の野球界から孤立してしまう」と兵庫に芦屋学園との提携見直しを勧告──という内容だ。

 日本野球連盟は、日本の社会人野球やクラブチームを統括する団体である。そんな団体がこんな通達を出せば、確かに兵庫ブルーサンダーズは日本野球連盟所属のチームとの交流戦ができなくなってしまう。

誤解が誤解を生んだ育成軍のニュース

 しかし結論から先に言えば、この報道にあるような通達を日本野球連盟は出していない。独立リーグとの交流戦も続けていく立場である。

 日本野球連盟は、日本野球機構(NPB)と毎年協定書を結び、セ・リーグ、パ・リーグと円滑に交流戦を行っている。日本各地の独立リーグとも2014年以降協定書を締結して交流戦をやっていく方針で、10月28日の理事会で承認を受け、内規を改正した。現在、北信越BCリーグと四国アイランドリーグplusとの協議が開始されており、近く協定書締結の見込みである。

 だが、関西独立リーグとの協議はなされていない。そうなった理由は、11月27日に関西独立リーグの代表である木村武志から「関西独立リーグの代表を辞任した」との報告があったからだ。簡単に言うと、日本野球連盟は協議する相手をなくしたのである。