北米報知 2013年11月14日47号

 第一次世界大戦の休戦条約の締結記念日で復員軍人を称える「ベテランズデー」を前に10日シアトル市内のNVC記念会館で式典が開かれた。

 第二次世界大戦で米国軍人として日本と戦った日系二世のロイ・マツモト= 松本博さん(100)の半生をまとめたドキュメンタリー映画『名誉と犠牲(邦題)』を上映し、来場者は時代に翻弄された日系人の記録に触れた。

 マツモトさんはロサンゼルスで生まれ、日米開戦により日系人収容所に送られた。1942年、日本語堪能者を求めていた米国軍に入隊。軍事情報部(MIS)に所属し、太平洋戦線のミャンマー(旧ビルマ)に送られた際には、危機的な状況にあった大隊を日本語や軍隊で養った技術で助け、後に米国から数々の表彰を受けた。

 一方、1927年に帰国していた家族らは広島県で暮らしていた。3人の兄は日本軍に召集され、米国軍と戦った。1945年、広島に原子爆弾が投下されたが、家族は疎開していたため無事だった。

左からアストランダー監督、ロイ・マツモトさん、カレンさん。写真=マイヤ・ゲスリング

 ドキュメンタリーはマツモトさんの次女カレン・マツモトさんが父の過去を知り、家族や関係者のインタビュー、写真館を営んでいた祖父の若次さんの写真をもとにまとめた。監督はドン・セラーズさん、ルーシー・アストランダーさん。

 式典にはマツモトさんや家族が会場に訪れ、来場者から大きな拍手が送られた。

 カレンさんは「NVC記念会館での上映は、私にとってとても特別な意味を持ちます。このドキュメンタリーは父の物語ですが、すべての日系米国軍人とその家族が抱えていた当時の状況を表している。語り継いでいくことが大切です」と話した。

 基調講演にはルイス・マッコード合同基地の米陸軍に所属するマイケル・オオシキ大佐が立った。父はMISに所属、二世兵士たちから受け継がれる日系社会の遺産の大切さを強調した。

 ベテランズデーに関連し、北米報知財団らは16日午後2時から和み茶室で映画上映会シリーズ「日系ヒーローズ」のイベントを開く。

 ビンス・マツダイラ(松平)監督によるドキュメンタリー映画『KASH』を上映、当日はマツダイラ監督ほか、映画関係者が出席し質疑応答に参加する。詳しくは(206)623- 0100へ。

(N・A・P)

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