本記事はLongine(ロンジン)発行の10月8日付アナリストレポートを転載したものです。
執筆 和泉 美治
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投資家に伝えたい3つのポイント

●今回のCEATECの最大の目玉は自動走行でした。自動車で通勤中にもスマホでLongine(ロンジン)が読める時代が来ることは夢ではないようです。

●日産は2020年に自動走行車の実用化を目指しているためオリンピック関連としても注目される可能性があります。

●自動車の自動走行関連銘柄として、日本セラミック(6929)は長期的に恩恵を受ける可能性に注目しています。

回復途上の日本の電機業界を象徴するCEATECジャパン

CEATECジャパンの展示会場は8ホールあり、これまでは大半のスペースを電機メーカーが埋めていました。しかし、今年はこのうち2ホールが自動車メーカーの走行デモと試乗エリアになっており、閑散としているという印象を拭えませんでした。大型テレビの展示が減ったことや出展企業の費用対効果を厳格に検証した結果であったり、業績不振から一社あたりの出店スペースが減少したことが一因と見られます。

図表1には、1980年からの大手電機メーカー8社(日立、東芝、三菱電機、NEC、富士通、パナソニック、ソニー、シャープ))の時価総額と、オリンピックが開催場所を示しました。2012年のロンドンで開催された時の時価総額は8兆円で、シドニー時点(2000年、37兆円))の1/5程度の水準です。直近の時価総額も少しは回復しましたが13兆円とバルセロナ時点(1992年))とほぼ同水準に留まります。

前向きな気づき

CEATECは自動車業界の助けを借りなくては成立しなくなっており、株価と同様に過去と比べると寂しい限りです。ただし、自動車や農業といった異業種との「掛け算」で成長を目指す動きが顕在化してきたことは、前向きな気づきでした。

日産が自動走行車を実演

今年の最大の目玉は日産が実演した自動走行車の実演でした。レーザーレーダーと車載カメラから得た情報とデモコースの情報をワークステーションが解析し、ハンドル、ブレーキを操作し、運転者の操作なし走る姿が日本で初めて公開されました。

日産は東京オリンピックが開催される2020年には実用化すると発表しているため、このテーマは、オリンピック関連としても株式市場で注目される可能性があります。

現時点で、私が注目しているのは9月30日にレポートを発行した日本セラミック(6929))です。今回、デモ車は低速走行を前提としている市街地用であったため、日本セラミックの超音波センサーは搭載されていませでしたが、8月にアメリカで公表した高速車には、ミリ波レーダーとともに、追加搭載されていたため、関連企業の一社と見ることができます。

インフラ協調型か自律型か?

自動車走行には「インフラ協調型」と「自律型」があり、前者はセンサーに加えGPSやビーコンから得られた情報も連携させたシステムで、トヨタが積極的です。一方、後者は、事前に取得した地図データとセンサーで制御するシステムで日産やグーグルなどが中心に進めています。

前者はインフラ整備に時間がかかるため、実用化は2020年以降になると見られます。ただし、トヨタも、自動駐車システムやプリクラッシュセーフティシステムを既に商用化しているため自動走行に対して後ろ向きということではないようです。超音波センサーは、これらにも採用されており、どちらの方式が主流になっても伸びシロが大きいと見ることできます。

執筆 和泉 美治

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