(英エコノミスト誌 2013年11月30日号)

政府はかつて不可侵だった農業補助金を廃止する。

日本の農業人口、20年間で半減 高齢化進む

日本の農業が大きく変わる?〔AFPBB News

 日本の安倍晋三首相の周りにいる最も熱心な改革論者でさえ、安倍氏が、稲作を減らすために政府が1971年から農家に補助金を出してきた「減反」として知られる政策を思い切って廃止するとは思っていなかった。

 だが、農水省は11月26日、減反制度を2018年までに段階的に廃止すると発表。安倍氏は、稲作農家は「自らの経営判断に基づいて」作物を生産できるようになると述べた。

 日本の神聖な主食であるコメに自由市場を設けるからといって、それだけで近年急激に衰退してきた日本の非効率な農業部門が変わるわけではない。だが、それは避けられない、歓迎すべき第一歩だ。

減反政策廃止という歓迎すべき第一歩

 減反制度は元々、甘やかされた日本の農家を短期的な価格変動から保護するために作られたものだ。この政策によって、2010年までに日本の水田のざっと3分の1がコメの生産から締め出され、失った収入を農家に補填するために毎年巨額の費用がかかった。

 何百万という日本の小規模な稲作農家は、地方の農業協同組合の巨大なネットワークである全国農業協同組合中央会(JA全中)とともに、何十年にもわたってこの補助金を糧にしてきた。多くの地主は、全く何も育てずに政府のカネを懐に入れている。コメ生産から締め出された土地の約5分の2は、全く使われずに放置されている。遊休地を見て、多くの人は、生命を与える土壌が雑草やごみで荒れ放題になっていることに心を痛めている。

 日本の農業の最大の問題は、2%の農地を除き、すべてが5ヘクタール未満の小規模な農地であり、多くが2~3の耕作地で構成されていることだ。減反制度その他の規制によって、農地が分断されているのだ。

 規模の経済がほとんど働かず、昔ながらの方法と古い農機具しか持たない、しばしば兼業で農業を行っている非常に小規模な農家は、農業の足かせになっている。日本の消費者が好む粘り気のあるコメは、結局、他国のコメの2倍以上の費用がかかることになる。

 極めて競争力の乏しい国内農家を守るために、日本は世界で最も高い部類の関税をかけてきた。輸入白米に対する関税は777.7%だ。今年3月、自由貿易圏を形成する環太平洋経済連携協定(TPP)の協議に日本を参加させることにした安倍氏の突然の決断は、これらの関税を圧力にさらしている。

 TPPの最終的な合意は確実と言うにはほど遠いが、それでも協議は変化を迫る強い圧力になっている。