販売期限切れの食品を売るスーパーの狙いとは?

「食品ロス」は減らせるのか

2013.12.06(Fri) 白田 茜
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 直接廃棄の大きな原因となっているのが賞味期限だ。農林水産省が行った調査「食品ロス統計調査」(2007年度)によると、食品を使わないで廃棄するのは「消費期限・賞味期限が過ぎたため」という理由が多い。また、消費者は「製造年月日が新しいものや賞味期限・消費期限が長いものを選んでいる」という。このため、賞味期限まで日にちの短いものは購入されなくなり、期限の迫ったものは店頭に残るという悪循環になっている。

海外でも食品ロスは問題に

 世界でも食品ロスは大きな問題になっている。国際連合食料農業機関(FAO)によると、世界の生産量の約3分の1にあたる13億トンの食料が毎年廃棄されているという。消費者に廃棄される年間1人あたりの食品ロスは、ヨーロッパで95キログラム、北アメリカで115キログラムにもなるという。

 海外でどれだけ食品廃棄物が出ているかは、表の「各国における食品廃棄物の発生量」を参考にしてほしい。

各国における食品廃棄物の発生量(※1:製造業を除く、※2:有機性廃棄物を含む )
(農林水産省「各国における食品リサイクル等の実施状況」をもとに筆者作成)
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 群を抜いて食品廃棄物の量が多いのが米国だ。残飯などとして廃棄する食べ物が年間1650億ドル(日本円換算で約13兆1000億円相当)に上ることが、アメリカ環境保護団体「天然資源保護協会」の2012年8月の発表でも明らかになっている。廃棄される量は増え続け、1970年代の1.5倍という。米国では、自宅や外食での食べ残しに加え、流通段階での無駄も含めて、流通する食べ物の約40%が捨てられており、4人家族で年間2275ドル(約18万円)にもなると推計されている。

販売期限切れの食品を売るスーパーが出現

 米国でも食品ロスの大きな要因になっているのが賞味期限だと言われている。賞味期限は、あくまで「メーカーが品質を確実に保証している期限」なので、期限を過ぎても直ちに食べられなくなるわけではない。賞味期限はスナック菓子やカップめん、レトルト食品、缶詰など、品質の劣化が比較的遅い製品に付けられる。

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1978年佐賀県生まれ。佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。食品コンサルタント会社を経て、現在は社会的関心が高い科学ニュースについて専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしている。関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション。


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