本記事は11月12日付フィスコ企業調査レポート(フロイント産業)を転載したものです。
執筆 客員アナリスト 
寺島 昇
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国内では圧倒的なシェア、海外需要の取り込みで更なる成長路線へ

 フロイント産業<6312>は医薬品や食品などを「製剤化」するための機械装置の専門メーカー。特に造粒装置では国内シェア70%を誇るトップメーカーである。同社は「製剤」「製造装置」及び「化成品」の各技術を持ち融合させており、世界的にもこれらの3つの技術を併せ持っている企業はなく強みとなっている。

 2014年2月期の第2四半期(3-8月期)業績は、売上高が前年同期比2.3%増の8,881百万円、営業利益が同5.6%減の843百万円、経常利益が同12.2%減の873百万円、四半期純利益が同27.2%増の470百万円となったが、ほぼ期初予想の範囲内である。

 2014年2月期(通期)の業績は売上高が前期比12.8%増の18,500百万円、営業利益が同19.0%増の1,750百万円、経常利益が同8.8%増の1,760百万円、当期純利益が同24.1%増の950百万円が予想されており、期初予想と変っていない。一方で2014年2月期は「第5次中期計画VISION-50」(売上高20,000百万円、営業利益2、000百万円目標)の最終年度でもあるが、現在の業界環境、受注状況から判断するとこの中期目標も見据えるところにあると思われる。

 財政状態は至って健全であり2014年2月期の第2四半期末の自己資本比率は62.8%(前年同期末61.4%)に達したが、その一方で株主還元策にも前向きである。連結配当性向20%を目安としており、今後も安定した配当が続く見込みだ。

 同社は既に造粒装置をはじめ多くの機械で高いシェアを持っているため、「シェアアップ」によって業績を伸ばすことは容易ではないことが想定される。一方、市場全体が伸びることによって恩恵を受ける可能性は高く、国内では既に高いシェアを維持している同社にとって、海外需要を取り込むことが今後の成長の鍵と言える。

Check Point

●通期では期初の予想を達成できる見込み
●海外需要を取り込むため新市場開拓の端境期
●今期は前期末比5円の増配を予定、株主還元策に積極的

会社概要

ユーザーのニーズに応えながら成長してきた研究開発型の企業

(1)沿革

 フロイント産業の社名の由来である「フロイント(Freund)」はドイツ語で「友達」を意味する。創業者の1人である現在の代表取締役会長の伏島靖豊(ふせじまやすとよ)氏が事業の構想を考えていたときに社名の話になり、伏島靖豊氏と創業メンバーが友人であったため、Freund(友達)「フロイント産業」と名付けた。

 同社の創業は自動フィルムコーティング装置、フィルムコーティング液を開発した1964年にさかのぼる。その後、多くの機械装置や医薬品添加剤などを開発しながら事業を拡大してきた。数少ない製品で売上高を伸ばすのではなく、ユーザーのニーズに応えながら製品を開発し、売上高を伸ばしてきた「研究開発型」企業である。