MRIC by 医療ガバナンス学会 発行

 最近、欧米では、アスリートの無秩序な栄養補助食品の使用が問題になっています。先日、英国の研究者は、栄養補助食品の使用によってドーピングテストにひっかかったアスリートや、健康への有害事象などを例に、特にプロテインの使用法について警告*1を促しました。

プロテインの品質

 米国のある調査*2によると、24の市販のプロテインサプリメントのうち、製品の31%が品質保証テストに不合格であることが判明しました。

 別の調査において、ニューヨーク都市部やオンラインを中心に購入した15種類のプロテイン粉末と飲料で、ヒ素、カドミウム、鉛、水銀の含有について試験が実施されました。

 分析の結果、そのうち3製品から、安全レベルを超えた重金属のレベルが検出されました。こうした問題は、製造および貯蔵の過程で生じます。FDAのウェブサイトではサプリメントについて、未申告のアレルゲンや微生物汚染、異物の混入などの問題が、頻繁に報告されています。

ドーピングの問題

 「ドーピング」として知られるアナボリックステロイド(anabolic-androgenic steroid nandrolone、蛋白同化ステロイドとも呼ばれます)は、筋肉増強剤として使用されています。最近の調査では、2007年に米国で標準的な小売店を通じて購入された58のサプリメントを分析した結果、25%に低レベルのステロイド、11%に興奮剤が混入していました。

 それらの中には、実際に健康被害を引き起こす可能性があるサプリメントも含まれますが、特定は難しい場合もあります。

 特に、海外のプロテインを使用されている方は、これらの混入に注意の必要があります。安心できるメーカーのものを使用すべきです。

 ところで、そもそも筋肉を増やすために、筋トレ後にプロテインなどを摂取する必要性があるのでしょうか?

 通常の食事からたんぱく質を摂取するだけでは、不十分なのでしょうか?

 確かに、トレーニング前後に正しい栄養を補給することは、パフォーマンスの向上や疲労回復ためにも、とても大切ですよね。