韓国では国軍の日、開天節、ハングルの日と祝日が続く10月に比べ、まったく祝日のない11月だが、巷では11月11日を「ペペロデー」と銘打って、バレンタインデーやホワイトデーのようなイベントとなっている。

 「ペペロ」というのは、棒状のお菓子にチョコをつけたロッテの商品名である。「ガリガリに痩せている」ことを韓国語で「ペペマルダ」と言うので、そこから来た商品名のようだ。

11月11日はペペロデー

 「ペペロデー」は、プサンの女子高生たちがお互いペペロのように痩せてきれいになりましょうという意味でペペロを交換したのがその始まりとされている。そして全国的にはやりだし、1996年の11月11日から「ペペロデー」として定着した。

 韓国のほとんどの若い女性は、健康的な美しさよりはガリガリに痩せることをよしとする風潮があるので、こうした記念日が誕生したと思われる。

 また、ペペロの外見や箱のデザインはグリコのポッキーにそっくりであり、1983年から韓国ロッテが販売したことで、ずっとポッキーのパクリ疑惑があったが、今回はそういった議論には一切触れないことにする。

 さて、今年の「ペペロデー」に向けて、本家本元(?)のロッテはもちろん、グリコとの合弁で2011年に設立されたヘテ・グリコも今年から韓国産「ポッキー」を生産し、両社はペペロデー商戦に乗り出していた。

 ペペロは11月の売り上げが年商の3割を占め、これまで無敵だったロッテのペペロにペペロの元祖と言われるポッキーも参戦したので、激しく火花を散らせる戦いになるはずだった。

 ところが、ペペロデー直前の10日、韓国の環境団体が出した声明書に両社は冷水を浴びせられた。

 ことの発端は、国会議員のヤン・スンジョ氏(民主党)が食品医薬安全所から提出させた資料を引用し、有名食品メーカーが日本産原料を使っていることを確認したと発表したことにある。