週刊NY生活 2013年11月2日465号

 極上の日本食を紹介するセミナーが10月20、21日の夜、有名シェフや米食産業界のトップたちを招いてニューヨーク市内2か所で開催された。同セミナーは、農林水産省のプロジェクトの一環として、米国における日本食・食文化の普及や日本食材の輸出促進を目的として実施された。

Photo: Atsuo Hosono

 20日の超高級会員制クラブ「ソーホーハウス」での立食型パーティーには招待客80人を超える約150人が参加、21日の調理人を支援する財団「ジェームズ・ベアード・ハウス」での着席型懐石ディナーには、在ニューヨーク総領事の草賀純男大使夫妻を迎え、招待客30人が参加した。

 21日は「真の日本の懐石を体験」と銘打ち、饗屋の園力氏、エン・ジャパニーズ・ブラッスリーの阿部弘樹氏、酒舞の秋山剛徳氏が美しい料理で「旨味(うまみ)文化」を伝えた。日本酒「ダッサイ・ビヨンド(日本名:獺祭・磨き・その先へ)」がニューヨークデビューとして振る舞われた。

 バーテンダー世界チャンピオン保持者の後閑信吾氏が創作した日本酒カクテルを飲むレセプションや、ワールドワイド蕎麦代表の小谷修一氏による蕎麦打ち実演など盛りだくさんで、著名シェフやフードライターなど厳選された招待客に、極上の日本食・食文化が紹介された。

 レストラン投資会社代表のフレデリック・セロルさんは「ロンドンで和食レストラン事業を展開させてきたが、ニューヨーク進出を考えていて、勉強に来た。蕎麦打ちは熟練の技で、素晴らしい」と話していた。

 食文化普及に実績のある日本のオールアバウト社と共同でセミナーをコーディネートしたコムカルチャーの瀧上妙子さんは「日本の旨味や薬味を口コミで伝えてくれるような方を厳選して招待した」と、主催者ともども、参加者の感嘆に大きな手ごたえを感じたようだった。

(小味かおる)

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