(英エコノミスト誌 2013年11月9日号)

米国は、日本と韓国の絶え間のない言い争いにひどく苛立っている。

 日本と韓国という非常に多くの共通点を持つ両国は、パートナーになるのが自然だ。どちらも工業化の進んだ民主主義国家で、米国の密接な同盟国だ。そして、核武装した北朝鮮と台頭する中国という、同じ戦略的脅威に直面している。日本の天皇は、皇室の祖先に朝鮮半島の血筋が入っているとさえ言われている。

 1910年から1945年にかけて日本が韓国を占領したことに対する憤りは、薄れていてもおかしくないはずだ。しかし、過去の暗い影は年々濃さを増しているように思える。現在の両国関係は、1965年の国交正常化以降で最も冷え込んでいる。さらに、米国にとって心配なことに、両国の政府筋は一層の関係悪化を予測している。

日韓の古傷

 2013年10月に開催された2つの地域首脳会議で日本の安倍晋三首相を無視した韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、11月上旬のインタビューで、安倍首相と会っても無駄だと語った。だが、日本は韓国にとって第2の貿易相手国だ。

 一方で朴大統領は、北朝鮮の若き独裁者、金正恩(キム・ジョンウン)氏との会談の可能性は排除していない。金政権は先月韓国に対して、「無慈悲な先制攻撃で破滅を味わわせる」と威嚇したにもかかわらず、である。

 どちらの国でも、相手国に対する否定的な話題がメディアの糧になっている。どちらの国の外交官も、相手国に対して苛立ち混じりの軽蔑を滲ませる。韓国人は、日本の政治家が歴史上の論争を繰り返し蒸し返すと非難する。

 日本では、ある政府高官が、安倍政権は韓国に「うんざりしている」と話す。韓国は「単一争点の活動家」と同じで、両国の結びつきを強くするかもしれない問題は意図的に無視し、軋轢を強める問題にばかり目を向ける、というのだ。

 どちらの国も、古傷をいじらずにはいられない。日本は竹島(韓国名は独島)と呼んでいる岩だらけの小島の領有権を主張するが、実効支配しているのは韓国だ。日本側にしてみれば、この傷口を開いたのは韓国で、朴大統領の前任者である李明博(イ・ミョンバク)大統領が2012年にこの島を訪れたのがきっかけだった。韓国は、日本が領有権の主張を巡って好戦的な言葉遣いをしていると非難する。

 さらに韓国は、日本が戦争犯罪の償いを適切に行ってこなかったと非難を重ねる。11月1日、韓国の地方裁判所が日本の大企業、三菱重工業に対して、戦時中に強制徴用された韓国人女性4人と既に死亡した1人の遺族への賠償を命じる判決を下した。

 こうした判決が下されたのは今回が3度目で、韓国側は日本企業300社が韓国人に強制労働をさせたとしていることから、今後もこうした判例がさらに増える可能性がある。