油断禁物!食品中の「飽和脂肪酸」が増えてきた

脂肪酸との付き合い方(後篇)

2013.10.25(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

江崎 動物実験を数多く行った結果からです。脳出血を発症するマウスに餌を与えるとき、たんぱく質の量を増やしたり、脂肪の量を増やしたりしました。すると、“高タンパク質”の餌では脳出血罹患が抑えられましたが、“高飽和脂肪酸食”の餌では脳出血罹患が抑制されなかったのです。

 特に、タンパク質の中でも、牛乳に含まれているタンパク質は脳出血罹患を抑制する効果が強いことが分かりました。一方、大豆タンパクでは効果は認められません。

 脳卒中の予防が大事だと考えている人には、乳製品を薦めています。また、肉もよいかもしれません。

 ただし、このような話をすると、飽和脂肪酸を極端に多く含む食品を摂ろうとする人も出てきます。しかしそれは心筋梗塞のリスクを高めることにつながります。また飽和脂肪酸は、脳出血や心筋梗塞との関係のほかに、摂取すると太りやすいという関係も見出されています。こうしたことも考えて、極端な食事をしないことが得策でしょう。

 体重増加が気になる人には、低脂肪の牛乳が良いと思います。牛乳を多く飲むと下痢をする人は、毎日コップ1杯程度の少ない量でもよいでしょう。

──トランス脂肪酸と飽和脂肪酸を同じ量、摂取した場合、結局どちらの方が健康面全体に悪影響と言えるのでしょうか?

江崎 心筋梗塞によりなりやすいのでトランス脂肪酸を摂取する方が好ましくないと言えます。飽和脂肪酸を摂る方が、まだマシといったところです。

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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