(英エコノミスト誌 2013年10月19日号)

米連邦議会による期限ぎりぎりの合意は、この国の長期的な問題を顧みないものだ。

米債務上限引き上げ期限迫る、上院の出口戦略に最後の期待

1996年以来の政府機関の閉鎖に追い込まれた〔AFPBB News

 遠くから見ると、この1カ月ほどの米国政府の振る舞いは明らかにおかしかった。

 10月11日に国際通貨基金(IMF)と世界銀行を訪れた各国の財務相は、中には過去に米国が窮地から救い出すのに手を貸した国々からやって来た首脳もいたのだが、ワシントンで繰り広げられていた事態に困惑しているように見えた。

 中国政府は、各国は他国の国内事情に干渉すべきではないという考えを自明の理として掲げているものの、米国は政府の借りられる金額に関する法的制限である債務上限を適切な時期に引き上げなかったと、繰り返し批判した。

 中国財政省の朱光耀次官は、責めを負うべきはティーパーティーだという趣旨の発言をし、この内政干渉は米国内で「我が国の政治に口出しするな」という、中国さながらの反応を引き起こした。

 残念ながら、たまに常軌を逸した振る舞いをするくらいなら微笑ましいと言えるかもしれないが、そうした振る舞いを繰り返すのは病いの兆候だ。債務上限の引き上げについては土壇場で合意に至ったが、米国は年明けに、この問題をまた一から繰り返さざるを得ない。

脅しによる統治

 上院での与野党合意のおかげで危機は回避された。共和党はオバマ政権から小さな譲歩を引き出した。政府に対し、健康保険料の補助金受給者に対する所得監査の強化を求める条項が盛り込まれたのだ。これと引き換えに、2014年1月15日までの予算が手当てされ、債務上限も2月7日まで引き上げられることになった。

 民主・共和両党は、12月13日までに会合を持ち、今後10年間の予算計画を策定することでも合意した。この取り決めは、細かい問題でさえ合意できない両党が、大規模で困難な問題を突きつけられれば、にわかに妥協点を見出すはずだという、まったくもって感動的な信念の表れだ。

 米国がこうした状況から抜け出せない理由の1つは、立法府の議員が、拷問による統治というスタイルを採用したからだ。民主・共和両党は、2011年に予算交渉に失敗した時、仮に再び交渉が失敗に終わった場合に双方に打撃となるような罰則を考え出した。

 交渉が、当然のことながら再び失敗に終わると、予算の「強制削減」(両党が重視している事業への支出の一括削減)が発動された。その結果、当年度の国防費は10%の削減が見込まれ、連邦政府の研究開発に対する支援も5%減少する見通しだ。

 9月に、予算案の合意か裁量的支出の停止(政府機関の閉鎖)かという、同じような選択に直面した両党は、閉鎖を選んだ。この選択により、伝染病の拡大を監視する疾病予防管理センター(CDC)のほとんどの職員が、3週間近くにわたって自宅待機を強いられたりした。今回もまた、かつては忌むべきものとされていた事態を受け入れる方が、妥協よりも好ましいとの判断が示された。