南国新聞 2013年8月22日

 ジョホール州コタティンギにあるリゾート内に設けられているイスラム教徒向けのお祈りの部屋(スラウ=Surau)で、シンガポールからやってきた仏教徒グループが瞑想したことが大きな問題になっている。

 事件が起きたのはコタティンギから40キロ離れた「タンジュン・ステラ・リゾート」(Tanjung Sutera Resort)で、ここのスラウで仏教徒グループが瞑想した。

 地元警察署は8月11日、スラウを非回教徒に使わせイスラム教を侮辱したとして、マレーシア永住権を持つ同リゾートのオーナーのシンガポール人(45)を逮捕、16日までの拘留が許可された。

 逮捕のきっかけは、10日にユーチューブに同グループの瞑想する様子を撮影した映像が流れたこと。瞑想しているのが明らかにスラウと分かる映像が映し出されていた。

 おまけに、そのタイトルが「(ジョホールでスラウが仏教寺院に転換された)」とあり、当局の怒りを買ったようだ。

 これには同州のカレド・ノールディン州首相も立腹の様子で、「してはならない行為だ。法の裁きを受けなければならない」とコメントした。

 一方、マレーシア仏教界のリーダーのひとり、高僧K・スリ・ダママラタナ師は13日、「シンガポールの仏教徒グループの行動についてマレーシアのイスラム教徒に謝罪したい。マレーシアとシンガポールの仏教徒は他の宗教に敬意を払い、微妙な問題に注意すべきである」との声明を発表した。

抗議デモ

 16日、付近の村の住人と非政府組織10団体の関係者らがカンポン・ブキのモスクの外で、「タンジュン・ステラ・リゾート」内の「スラウ」を取り壊すよう求め抗議した。

 参加者は「外から来た者はマレーシアとジョホールから出て行け」などと書かれた横断幕を掲げて抗議デモをした。

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