(英エコノミスト誌 2013年9月28日号)

西側諸国は、聖戦主義者のテロとの戦いに勝利を収めつつあると考えていた。その考えは改めるべきだ。

シリア政府支持者を処刑する武装組織の映像、人権監視団が公開

アルカイダ系の聖戦主義者のテロリストは、減るどころか、むしろ増えている〔AFPBB News

 数カ月前、バラク・オバマ大統領は、アルカイダが「敗北への途上にある」と明言した。生き残っているメンバーは、西側諸国に対するテロ計画を練るよりも、自らの身の安全に気をとられていると、オバマ大統領は語った。

 今後のテロ攻撃は、1990年代のそれと似たものになる――すなわち、国際的ではなく地域的に限られたものになり、警備の甘いいわゆる「ソフトターゲット」を標的にするようになるだろう、というのが大統領の主張だ。

 その主張を要約すれば、ジョージ・ブッシュ前大統領が始めた国際テロとの戦いを、そろそろ縮小してもいいころだ、ということになる。

 ソマリアのアルカイダ系武装勢力シャバブが起こした、ケニアの首都ナイロビのウエストゲート・ショッピングモールの襲撃事件は、オバマ大統領の主張通りのテロと言えるかもしれない。多くの命が失われたショッキングな攻撃ではあるものの、米国からは遠く隔たっている。

 だが、そこには不都合な真実が存在する。アルカイダとその聖戦の同盟者たちは、徹底的に痛めつけられ、数々の敗北を喫してきたにもかかわらず、ここ1年半で、目覚ましい復活を見せているのだ。

 今やテロ組織のネットワークは、25年にわたる歴史の中で例を見ないほど支配地域を広げ、多くの戦闘員を集めるようになっている。オバマ大統領は考えを改めなければならない。

死に体からの復活

 状況は2年前と全く異なって見える。2011年のウサマ・ビンラディン殺害以前から、パキスタンの北ワジリスタン地域のアフガン国境近くに潜伏していたアルカイダの中央指導部は、絶体絶命の窮地に追いこまれていた。無人航空機の攻撃により空洞化され、テロ組織ネットワークに属するほかの組織と連絡を取るにも、大きなリスクと困難を伴うほどだった。

 西側諸国への攻撃という点で最も力のあった組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」は、無人機により激しく攻撃され、イエメン軍に苦しめられていた。シャバブもソマリアで同様に追いつめられ、西側が支援するアフリカ連合の部隊により主要都市から追い出されていた。

 そして何よりも、アラブの春により、欧米の援助を受ける腐敗した政権を倒せるのは暴力だけだ、というアルカイダの中心的な主張が覆されてしまった。