バイオ燃料で世界から取り残され始めた日本

2010年に大きく舵を切った欧米諸国

2013.10.03(木) 藤原 秀樹
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 この技術は石炭から液体燃料を取り出す目的で開発された。第2次世界大戦中ドイツでは、この技術を使って石油の代替物を多量に生産した。日本では、技術の差から使いこなせず、松根油などを使うはめになった。

  ごく簡単にフィッシャー・トロプシュ法(以下FT法)を図解すればこのようになる(下図参照)。

フィッシャー・トロプシュ法(FT法)の概念

 もちろん、現在では技術改良がなされ大きく進歩している。石炭を原料としたのでは、化石燃料を使うのであるから、再生産はできないし、カーボンニュートラルでもない。そこで、木質資源を原料としたFT法の応用が考えられたのである。

 また、今の時代であるからガス化炉にも最新技術が導入されている。さらに、ガス化した一部を発電に回すなどの応用も考えられている。

木質資源を原料としたFT法

 下図は米国ニューページ社のウィスコンシン州・ウィスコンシンラピッズ工場のガス化設備を表している。右下の色付けした部分である。発電はもちろんCHP(熱電供給システム、コジェネレーションとも呼ばれる)である。

ニューページ社ウィスコンシンラピッズ工場の例(右下に色付けした部分がバイオ燃料製造設備)

 ここでは、製紙工場の中に組み込まれたシステムとなっていて、CHPで生成した電気、蒸気、温水は製紙の工程で使われている。シンガス(syngas)と呼ばれるガス成分は、水(蒸気)でクリーンアップされた後、GTL(gas to liquid)工程に運ばれバイオ燃料となる。

 余剰の洗浄ガスは一部売電に回される。残りのガス(テールガス)は再びガス化炉の燃焼に使用される。現在の技術では、ガス化炉、CHPとも最新の技術が応用されている。しかし、もとはといえば1920年代の技術である。

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藤原 秀樹 Hideki Fujiwara

 

カーボンニュートラル資源研究所 代表

慶応義塾大学工学部卒・同大学院修了後、十條製紙(現・日本製紙)入社。

米国・ウェスタンミシガン大学留学。工学博士。

日本製紙・取締役・研究開発本部長、関係会社役員を歴任。

TAPPIフェロー(米国紙パルプ技術協会名誉会員)、TAPPI 塗工部門技術賞 (アジア初)

東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部・非常勤講師、タイ国アジア工科大学院・客員教授

米国紙パルプ技術協会・国際研究管理委員会 委員(副委員長)
マルクス・ヴァレンベリ賞(スウェーデン)選考委員会・アジア地区大使を経て、現在は選考委員会のシニアアドバイザー

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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