ハマる人が続出中、「再現レシピ」の不思議な魔力

忘れられないあの一皿が現実のものに

2013.09.06(Fri) 麻生 千明
筆者プロフィール&コラム概要

視覚的にも訴える強い効果

 絵本やアニメの料理が再現レシピとして次々と紹介される理由も考えてみたい。

 そもそも私たちはどうして絵本やアニメの料理に魅了されるのか。媒体的な特性を小説と比べたとき挙げられるのは、脳に訴える強さがあるということだ。

 小説などの文字情報だけの場合、見た目や香り、味は読者の想像力に委ねられてしまう。もちろん、想像力豊かな読者は唾を飲み込む体験をすることがあるかもしれないが。

 それに対して、アニメや漫画は文字情報だけでなく、独特の効果音や描写によって見事な色合いや質感を醸し出し、読者の視覚情報に強く訴えてくる。極めつけは読者が共感している主人公や登場人物が満面の笑みでおいしそうに食べるシーンがあることだ。同調効果によって読者は「おいしそう」「自分も食べてみたい」という感情が喚起され、強い憧れとして胸に残る。

「ラピュタパン」がグローバル化する日も

 ネットスーパーのおかげで、再現レシピに必要な異国のスパイスやハーブだって簡単に手に入れることができるようになった。他のファンが開発したレシピを見比べ、研究し、手を加えて改良することも可能だ。そうして磨かれた再現レシピは一躍世界に広まっていく。

 いくらおいしい料理やお菓子が登場していてもウェブがなければこんなにも広がることはなかっただろう。再現レシピは、現代のウェブメディアの発展に合わせて自然発生的に生じた新しい口コミ手法の1つと言えるのではないだろうか。

 日本のアニメや漫画はこれからも海外にどんどん輸出されていく。再現レシピに挑戦する外国のファンも出てくるだろう。地球の反対側の食卓に「ラピュタパン」や「ドーラのハム」が上っている日が来るかもしれない。たとえ宮崎駿が監督を退いたとしても、映画の中で登場する料理は、作品そのものとともに多くのファンを魅了していくのだ。

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