(英エコノミスト誌 2013年7月13日号)

経営難の造船会社が改革に対する中国のコミットメントを試している。

 「造船所は銀行と似ている」とバークレイズのアナリスト、ジョン・ウィンダム氏は言う。銀行の取り付け騒ぎと同じように、「倒産の噂だけで命取りになることもある」からだ。

 造船所は受注案件を仕上げるうえで、進捗状況に応じた顧客からの出来高払いに依存している。だが、ウィンダム氏によると、買い主は造船所が倒産に向かっていると感じるや否や、支払いをストップし、その結果、経営難の造船所が倒産する確率が高まるという。同氏の理論は近く中国で真価を問われることになるかもしれない。

 折しも中国の新たな指導者たちが、雇用喪失などの社会的代償をもたらす分野でさえ厳しい経済改革を進める構えを見せている時に、造船業の世界的な過剰生産能力と中国国内の信用収縮の組み合わせが中国の一部造船所を倒産の瀬戸際に追い込んでいる。

 造船所が戦略的に重要と見なされている産業の国家的企業であるという事実は、そうした企業の危機を、指導者の決意を試す重大な課題にしている。

造船所のおよそ3分の1が倒産の危機に直面

 すべての視線は、相次ぐ打撃に見舞われた中国最大の民間造船会社、中国熔盛(ロンシェン)に注がれている。今年に入って新規受注が急減し、同社は最近、上半期に損失を計上する可能性があることを明らかにした。人員解雇と給料の支払い遅延は、上海の北に位置する江蘇省の拠点での労働争議を招いた。熔盛は債権者に減免措置を求めていると報じられる一方、政府に救済を要請している。

 2008年の世界金融危機によって、熔盛は新規株式公開(IPO)の延期を余儀なくされた。2010年になってようやくIPO実現にこぎつけた時、同社が調達した資金は予想より少なかった。その結果、野心的な成長の資金を賄うために、借り入れに大きく依存せざるを得なくなった。

 その他の中国の造船所と同じように、熔盛は船主の需要が減っても生産能力を拡大し続けた。中国の造船業界団体は、恐らく加盟企業の3分の1程度が現在、倒産の危機に直面していると推定している。

 だが、韓国の現代重工業をはじめとする外国のライバル企業は活況を呈している。熔盛は単に間違った船舶を製造しているだけだと船舶ブローカー大手クラークソンズのマーティン・ロウ氏は主張する。