(英エコノミスト誌 2013年6月1日号)

電気自動車は未来のエコカー(環境対応車)の座を目指す競争で失速した。それは悲劇ではない。

「レアアース不要」の自動車モーターを開発、NEDOと北大

電池切れ?〔AFPBB News

 電気自動車にとって、5月は決して楽しい月ではなかった。5月1日、米国の電気自動車メーカーのコーダが破産申請した。同26日には、交換可能なバッテリーを搭載した電気自動車の推進役として大いに騒がれたベタープレイス(2007年に10億ドル近い資金調達を行った)がイスラエルで会社清算を申請した。

 やはり米国の電気自動車メーカーで、政府から一部出資を受けているフィスカー・オートモーティブは破綻の瀬戸際にいる。フィスカーは、同社向けのバッテリーを生産するA123システムズ(同じく国から助成金を得ていた)が昨年破綻して以来、車を1台も生産していない。

 フィアットとクライスラーを率いる経営トップはこの5月、「フィアット500」の電気自動車バージョンを1台販売するごとに1万ドルの赤字が出ると述べた。「500e」の価格は3万2000ドルとガソリン車の2倍だが、フィアットとしては、売ろうとするしかない。カリフォルニア州が自動車メーカーに対し、「ゼロエミッション」車の販売割当を課しているためだ。

 すべてのニュースが悪かったわけではない。カリフォルニア州でスポーツカータイプの電気自動車を生産しているテスラ・モーターズは最近、四半期決算で初の黒字を計上し、4億5200万ドルの政府融資を前倒しで返済したと発表している。

 だが、全体的に見ると、完全なバッテリー駆動車か、補助的にガソリンエンジンを搭載しているハイブリッド車かはともかく、電気自動車は失敗だった。

 政府の助成金があったとしても電気自動車は高価で、完全なバッテリー駆動車は走行距離が限られている。

電気自動車はあくまで「答え」の一部

 電気自動車の挫折は、重要なことだろうか? それほど大したことではない。ベタープレイスが失敗した最大の理由は、同社のお粗末な経営にあったように思われる。

 ベタープレイスは2009年にルノーと提携し、交換式バッテリーを搭載した電気自動車を2016年までに10万台販売することを目指したが、1300台しか売れなかった。他の自動車メーカーに交換式バッテリー搭載車を生産してもらうことができず、契約者の選択肢を狭めてしまう結果になった。

 もう1つの障害が、自動車メーカーが排ガス基準を満たす必要があることも原動力となって、すべての車が環境に優しくなっていることだ。