(英エコノミスト誌 2013年6月1日号)

英国の若者は、社会的にも経済的にもリベラル(自由主義的)になっている。政治家は、彼らの側につかなければならない。

英国情報局がゲイのスパイを募集、FT紙

英国の若者の考え方と、英国の政治のあり方には大きな開きが生じている〔AFPBB News

 過去170年、本誌(英エコノミスト)は一貫して、自由貿易を支持し、政府の肥大化を批判し、個人の自由の保護を訴えてきた。その間、一貫して失望もさせられてきた。

 政党には、経済的自由主義か社会的自由主義か、どちらかを選ぶという厄介な傾向がある。時には小さな政党が、果敢にその2つを同時に追求しようとすることもある。だが、その結果は、さらに党勢を弱めるだけだ。

 米国では、本誌の信条が大きく誤解され、実際には正反対だというのに、自由主義が大きな政府と結び付けられている。

 ところが今、本誌の母国でもあり、アダム・スミス(リードギター)とジョン・スチュアート・ミル(ベース)、ウィリアム・グラッドストン(ボーカル)を生んだ英国には、希望を持てる理由がある。英国の若者たちが、伝統的な意味で、驚くほどリベラルになっているのだ。

 彼らは他人の性的嗜好や薬物摂取習慣や肌の色に対して、ほとんど無関心と言えるほど寛大だ。上の世代と同じく、大量の移民についてはあまり快く思っていないが、そればかりをしつこく話題にする政治家にうんざりもしている。間もなく英上院(貴族院)を悩ますことになる同性婚を巡る論争に関しては、ほとんど問題だと思っていない。

 若者は、強大な政府が、自分たちの寝室ばかりでなく、自分たちの収入にも干渉しないことを望んでいる。上の世代と比べると、若者は福祉に対して懐疑的だ。社会福祉制度の創設は英国が大きく誇るべき偉業だと考える人の割合は、戦前生まれではほぼ70%、ベビーブーム世代では61%に上る。だが、1979年以降に生まれた世代では、30%を下回る。

 若者は、財政赤字削減を強く支持する。地球温暖化を心配しているが、企業に自由を与えるかどうかという点では、概ね国家の機能を最小限にとどめるミルの「夜警国家」の考えに近づく。例えば、巨大スーパーの成長には寛大だ。

好きなのは(ジョン)ロック

 こうした傾向は、単に若者特有の考え方から生まれているのではない。むしろ、世代的な変化と言える。1987年当時の18~34歳の英国人では、「社会福祉の削減が自立を促す」という意見に同意する割合が他のすべての年齢層に比べて低かった。だが、今日の若者は、大抵の世代よりも厳しい見方をする。同時に彼らは、旧世代が同年齢だった頃と比べると、社会的にもリベラルである。

 この称賛すべき傾向には、いくつかの理由がある。今の若者は、以前よりも様々な人種が入り交じる社会で成長してきた。人格形成期には、インターネットにさらされていた。インターネットはいわば、政府の干渉に対する抵抗を内包する器官だ。