(英エコノミスト誌 2013年5月4日号)

安倍晋三内閣は、財政再建については失望を招きそうだ。

 日本経済を復活させるために、安倍晋三首相は3本の矢を放った。一時的な財政出動、金融緩和、構造改革の3つで、これらが「アベノミクス」と呼ばれる戦略を形成している。

 しかし、矢筒の中に4本目の矢を準備しておく必要があると考える人は多い。

 2014年に国内総生産(GDP)の240%に迫ると予測される、日本の膨大な公的債務に対処する長期的な財政再建策がそれだ(図参照)。

 安倍首相が率いる現与党の自民党は昨年、当時の与党、民主党に協力して、消費税率を2014年4月に5%から8%に、2015年10月に10%に引き上げる法案を可決した。

消費税増税とアベノミクス

 当時の首相、民主党の野田佳彦氏にとって、この法案は、日本の財政を再び軌道に乗せるという民主党の大義の戦いの仕上げを意味していた。

 消費税増税による13兆5000億円の税収増加は、2015年までにプライマリーバランス(利払い前の基礎的財政収支)の赤字をGDPの3.2%にまで半減させるという、2010年に設定された目標が達成可能に思えることを意味した。この控えめな目標では、日本の債務は減少しないだろうが、増税法案は少なくとも正しい方向への小さな一歩だった。

 その後、アベノミクスが始まった。第1の矢は、2011年に地震と津波に襲われた東北地方の復興をはじめとする事業など、景気刺激策として10兆3000億円を追加支出するというものだ。この支出により、債務問題は当面悪化し、GDPの3.2%という目標はほぼ達成不可能になる。

 その一方で、経済活動は活性化するはずで、それにより税収が増加するとともに、消費税率を引き上げやすくなるだろう。