東京国際フォーラムで10月30日と31日に開かれたデジタルマーケティングの国際カンファレンス「ad:tech Tokyo 2012(アドテック東京)」。

ギャップ社のトリシア・ニコルズ氏(撮影:前田せいめい、以下同)

 基調講演リポート第4回目は、米ギャップによるプレゼンテーションをご紹介する。まず、トリシア・ニコルズ氏(コンシューマーエンゲージメント・メディアストラテジー・ブランドリレーションシップのグローバルリード)は「コンシューマーファースト」をテーマに、グローバル企業がどう顧客と長期的関係を構築しているのか、その取り組みについて語った。

 また、日本の事例については、ギャップジャパンのディレクター(デジタル/CRM&Gapマーケティング)の遠藤克之輔氏が説明した。

「個人主義」「民主主義」「楽観主義」の3つがコアバリュー

 ギャップは現在、世界に3000店舗を有する。1969年の創業以来、同社は3つのコアバリューに基づきビジネスを展開してきたという。「インディビジュアリズム(個人主義)」「デモクラシー(民主主義)」「オプティミズム(楽観主義)」である。

 個人主義とは、共通の関心を持った似た者同士がつながっていくこと。特に現在、ツイッターやフェイスブックなどを通じて共通の関心を持つ人々がどんどんつながっている状況を指しているという。

 民主主義とは、自分たちの声を共有すること、自分で発言することだという。今や誰でもパソコンや携帯電話を使ってどこにでもアクセスすることができるようになった。「これは非常に大きなチャンスだと思う」とニコルズ氏。

 楽観主義とは、誰かと一緒に何かをやる、すなわちつながりによってもっと多くのことをやりたいと思うことだという。ニコルズ氏は「人々のつながりの中からもっと大きなことをやろうということ」だと説明した。

グローバル企業はローカルとのきずなの構築が大切

 ニコルズ氏は、グローバルブランドが顧客との長期的関係を築いていくためには、ローカルとの関係が重要だと強調した。それぞれの国の消費者ときずなを結ぶこと、「ローカルカスタマイゼーション」が大切だという。その具体例として、2012年に行ったキャンペーンを紹介した。