福島1区の前衆議院議員・亀岡よしたみ氏を電話ゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。亀岡氏が、被災地の住民感情や復興の遅れ、原発の現状などをリポートした。

自力で除染した地域が避難勧奨地点に指定されない理不尽さ

中山 東日本大震災から間もなく2回目の冬を迎えますが、被災地の現状はいかがですか。

亀岡 私がいる南相馬市は、今でも高波や台風が来ると水没してしまう状況です。先日の台風17号でもそうでした。まだ堤防ができておらず、被災地の海際は以前のままの状態です。

 復興交付金に関しては、本当にお金を必要とする自治体にほとんど回ってきていません。避難道路が整備されていなければ、生活道路もつながっていない。

 「一体いつになったらつながるのか」と思っていたところに、復興予算が復興とかけ離れた事業に転用されていた問題が明らかになりました。被災地では皆、心底がっかりしていますよ。

中山 被災地の仮設住宅は今どんな様子ですか。

亀岡 仮設住宅への入居から1年数カ月も経っていますから、入居者の方々は仮設から出たがっています。復興住宅や災害公営住宅が建てばそこに移住できますが、全く建設が進んでいません。

 福島県内では相馬市が一番進んでいますが、それでも入居できるのは来年以降です。そうすると、少なくとも3年間は仮設住宅に住まなければならず、皆これ以上は住めないと精神的に参ってしまっています。

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今年7月、福島第一原発4号機の燃料プールから事故後初めて燃料棒を取り出す作業員〔AFPBB News

中山 被災地では、毎月1人あたり10万円が見舞金として支払われるそうですね。

亀岡 そうです。特定避難勧奨地点に指定されると支払われます。ところが、こんなひどいことが起きています。

 例えば伊達市では、2メートル幅の道路を挟んで片側では避難勧奨地点に指定され、月10万円ずつ支払われました。

 しかし道路を挟んだもう片側は、早く子どもを守ろうと自分たちで除染を行った結果、国が線量を測った時には低かったという理由で避難勧奨地点に指定されなかった。