経営のためのIT活用実学

今こそ再考すべき「米国式ITガバナンス」日本企業はなぜ消化し切れなかったのか

2012.10.23(火)  横山 彰吾

当社のサービスは「グローバル、CRM、クラウド」をキーワードとしているため、企業から「グローバルを視野に入れたCRM」に関する相談を受けるケースが多い。

 ただ面白いのが、そうは言いつつ、「まずは日本、その後は未定」という話がいまだに大半を占めるという点だ。よく話を聞くと、グローバルプロジェクトのつもりでやりたいが、“現地との調整”が必要なので、まずは日本で成果を出してから、その先どうなるかは未定、だという。

 実はこの時点で、グローバルプロジェクトとしての成功はすでにずいぶん遠ざかったと言ってよい。「成功」の定義にもよるので乱暴なことは言えないが、正確には「迅速に成果を上げることは難しくなった」ということだ。

グローバルプロジェクトはなぜ迷走するのか

 その企業の強みを生かすためには、当然のことながら優れた業務プロセスを各国各拠点で取り入れるべきだし、それを支えるシステムは同じものであることが望ましい。それによって、グローバルでの業務レベルの底上げや、迅速な意思決定などが可能となる。

 また、それを実現するためのITに関するお金の使い方や、プロジェクトの進め方、役割分担なども、グローバルで一定のルール化がなされている形が望ましい。

 そういった一連の約束事を決めて守らせるのは本社のIT部門の仕事である。これがいわゆる「ITガバナンス」だ。 

 ところが、そういった「うちの会社のITガバナンスはこういうものだ」というものが存在しないままグローバルでのプロジェクトを進めると、あらゆることが各国事情に振り回され、個別対応になってしまう。経営はグローバル化しているものの、ITにおけるマネジメントがそれについていけておらず、本社としての意思を通すことが難しいという状況だ。

 これが、いつ終わるか分らないグローバルプロジェクトを生み出してしまう大きな原因と言えよう。

 米国でITガバナンスが流行ったのは約10年前。当時…

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