(2012年10月4日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
従業員の相次ぐ自殺で、メディアなどの注目を浴びてきたフォックスコン〔AFPBB News〕
中国北部にあるフォックスコン(鴻海=ホンハイ=精密工業)の太原工場で先日起きた暴動は、従業員2人の酒の上での喧嘩によって始まったと言われている。
警備員が強引に割って入った時に事態がエスカレートし、腹を立てた2000人の従業員を鎮圧するために5000人の警察官が派遣されてからは完全に手に負えない状態になった。
台湾の受託製造サービス(EMS)大手で、中国で100万人の労働者を雇用するフォックスコンは、数年前に深セン工場で従業員の自殺が相次いでから、工場の労働条件を巡って圧力を受けてきた。
フォックスコン従業員が不満を募らせる理由
同社はそれ以来、会社のイメージを改善し、時として落ち着きを失う従業員との関係を円滑にするために、賃金を引き上げるなどの対策を講じてきた。
米国の「公正労働協会(FLA)」が今年公表した報告書は、フォックスコンが労働問題の多くに対処してきたとの見方を示していたが、中国の法定限度を超える残業時間など、「重大かつ深刻な違反」の証拠がまだあるとしていた。
この報告書は、太原工場を調査対象としていなかったものの、同工場は最近、恐らくアップルの「iPhone(アイフォーン)5」の発売に向けた注文に応じるためために、生産を増強していた。
フォックスコンが特に大きな注目を浴びてきたのは、その巨大な規模と、デル、ソニー、ヒューレット・パッカード(HP)、そしてもちろんアップルといった有名ブランド向けに行っている仕事のためだ。
それでもフォックスコンは、恐らく競合他社の多くよりも良い雇用主だろう。中国の作業現場で緊張が高まっているのは、賃金や労働条件を多少調整するだけでは解決できないような全面的かつ根本的なトレンドが生じている兆候だ。
最も根本的な変化は人口動態だ。中国はもはや、きつくて単調な仕事を喜んで引き受ける従順な出稼ぎ労働者が尽きない状況には頼れない。
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