連載第7回目「結婚願望:実利より見栄を張りたい女の心理」で、結婚することによって得られるものとして「子供、メシ、セックス」と説明しました。結婚生活では、セックスが独占的に得られる資産と考えられますが、残念ながらセックスは消費財であるので、経済学で言う「限界効用逓減の法則」があてはまります。

 この法則は「満足度の総量は、商品を消費すればするほど高まるけれども、その高まり方は、消費すればするほど小さくなる」というもので、消費財である以上、長年一緒に住んでいるとセックスはおざなりになり、飽きてしまう、最終的にはセックスレスになっていくのが自然な流れとなります。

 しかしながら、男の身体構造として、精子は自分の意志とは関係なく製造されますので、何かの方法(夢精、自慰、風俗、配偶者とのセックス、配偶者以外とのセックス)によって放出しなければなりません。

 このため、セックスレスになる過程において、浮気を行うことは、倫理的議論を別にすると、これもまた当然の流れでもあります。

 今回はこの浮気からの考察です。浮気相手がいると離婚が加速されそうですが、実は浮気相手がいるからこそ結婚生活が安定して離婚しないという側面もあるのです。その(へ)理屈を考えてみましょう。

セックスレスの実態

 まずは、セックスレスの実態から。

 右の図は、厚生労働省が発表した「男女の生活と意識に関する調査」のデータからセックスレスの割合を示しています。

 割合は年々増え続けて、2010年では5組のうち2組がセックスレスとなっています。

 理由としては、「出産後何となく」が第1位で20.9%(男性18.9%、女性22.1%)、第2位が「めんどくさい」(男性10.7%、女性26.9%)、「仕事で疲れている」(男性19.7%、女性13.9%)です。