賞味期限切れ、いつまで食べても大丈夫?

学び直しの「消費期限と賞味期限」(後篇)

2012.08.31(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

──「開封後はなるべくお早めにお食べ下さい」という表示もよく見かけます。どう考えればよいでしょうか?

徳江 「早めに」が、1日なのか、3日なのか、1週間なのかが分からないという点は、多くの方にとって問題になっていると思います。

 難しいのは、食品を買う人はたくさんいて、人により保存の知識や方法が異なるということです。パックの牛乳をコップに注いで飲む人もいれば、あけくちに口をつけてごくごく飲む人もいます。そこまで条件を分けて製造者が表示することはできないのです。

水分、酸素、酵素・・・劣化の要因は様々

──そもそも、なぜ日が経つと食品の品質は劣化していくのでしょうか?

徳江 食品には、劣化する要因がいろいろあります。具体的には、水分、酸素、光、温度、酵素、細菌やカビなどの微生物、それに昆虫やネズミなどの生物といったものです。

 「水分」について言えば、各食品の「水分活性」という指標が、劣化を考えるときの大切な要素となります。水分活性とは、微生物が自由に使える水がどのくらいその食品に入っているかを0.00から1.00までの数値にしたものです。

食品と微生物が生育可能な水分活性の各値。微生物の方は下限値。ほとんどの細菌が0.90以下では生育できないが、高い塩分(低い水分活性)で育成できる好塩球菌も存在する。食中毒の原因菌にもなることから注意は必要。 (徳江客員教授の提供資料を参考に筆者作成)
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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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