「幸せになるために離婚」するとしても、それは結婚という現実から逃げるという方法であって、せっかく離婚してフリーになるからには、恋愛市場に入って恋人をつくるか、再婚市場に参入して再婚相手を探すかといったような能動的な行為が伴うものにしたいものです。

 もちろん「もう恋愛はこりごり」と思い、仕事や子供一筋に生きることも可能ではありますが、失敗した結婚人生を挽回して「上書き保存」したいもので、その意味でも恋愛市場か再婚市場に入り、新しい相手を探すことも念頭に置くべきです。

 ところが首尾よく離婚できたとしても、そんなに簡単に相手が見つかるというわけではありません。簡単に見つかる人もいますが、難しいケースもあります。

 その再婚の難易度を決定するのは、年齢(みかけ)、年収、再婚市場の規模、といったところですが、条件が整わない人も大変に多く、だからこそ、離婚しないという選択肢を選ぶようです。

 つまり、もう二度と売れることがないから、いまの結婚という立場をキープしようと・・・。

(1)年齢(みかけ)

 女性の生殖力という観点から考えると、見かけ重視の男との再婚は難しいようです。

女性の生殖力のピーク(進化生物学者D. Bussより)
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 右の図にある通り、女性の生殖力のピークは19歳です。子供を産む生殖力のピークとは、みかけ(化粧した顔でもエステ直後の人工的な工作を施した顔でもなく、自然なスッピンの顔ですのでお間違えのないように)のピークでもあります。

 19~20歳といったピークを過ぎると徐々に生殖力が衰えていき、50歳前半で閉経を迎えて子供を産むという機能は停止します。

 「根源的」に、子供が欲しい、たくさん欲しい、健康な子供が欲しいとプログラムされている男性にとっては、買い手の立場からすると女性は若ければ若いほど良いという理屈になります。

 従って、結婚していた期間は失われた機会コストとして考えることができ、結婚期間が長ければ長いほど若さの損失が生じていることから、恋愛や再婚が難しくなるということです。

 自分を夫に売却した関係を結婚ととらえることができますが、そのような関係では、売買取引が完了したために、女性としてはその時点で再び売る努力を行わなくなり、その分、見かけなどに劣化が生じていきます。

 夫側は夫側で、既に「買い取った商品」に対して、他の男にも売れるように妻への再投資(付加価値をつけて売る行為)は行わないものなので、自分の許容範囲内での見かけの劣化については「仕方がない」と思って諦めるようです。

 このように、「見かけ」を重視する男に対しては、いったん結婚生活に入り努力を怠った状態になると、再婚市場では売れないと予測できます。

 当然、再婚市場で売るためには見かけ以外の「売り」で勝負しなければならないのですが、実際に主婦に「あなたの『売り』は何ですか?」と尋ねても答えられる人はほとんどいないでしょう。

 そのように再婚市場での鉄板ネタがない女性では、勇気を出して離婚することが難しいと言えるでしょう。