北米報知 2012年7月11日29号

 独立記念日の7月4日、シアトル・センターで第28回帰化宣誓式が行われ、82カ国から525人が米国市民権を取得した。式典には関係者が多数参加し、日本からは百々智子首席領事が出席した。

忠誠の誓いを読み上げる市民権取得者たち

 今回の宣誓式で出身者が多かった上位3カ国はフィリピンの58人、インドの44人、メキシコの40人で、日本は1人だった。

 米国へ多大な貢献をした人へ贈られるスピリット・リバティー賞には、ミャンマー出身で難民支援活動を行うサイモン・キーンさんが選ばれた。

 キーンさんは「35年前に米国が私を受け入れてくれたように、今度は米国市民として同じ境遇の子たちたちを支援したい」と話し、米国市民として祖国に貢献できる喜びをあらわにした。

日本人に選ばれるワシントン州

 米国では毎年約70万人が帰化する。国土安全保障省の統計によると、昨年ワシントン州で帰化したのは1万7317人で、全州の中で9位に入る。

 州内で帰化した日本出身者はカリフォルニア州の619人、ニューヨーク州の170人、ハワイ州の156人に次ぐ85人で、帰化者1万人以上の州で比較した場合、日本出身者率の高さはトップとなる。

 日本の外務省によると、シアトル地域で生活する在留日本人のうち、永住権保有者は全体の約6割を超える。市民権取得後の定住率も高いことが予想でき、当地と日本の繋がりの深さを垣間見ることができる。