今年の夏は氷点下のビールが“熱い”!

これぞ日本ならではのビール文化

2012.08.10(Fri) 佐藤 成美
筆者プロフィール&コラム概要

 猛暑につつまれた日本列島。まだ汗だくの日が続きそうだ。。そんな暑い夏の夜には、冷たいビールが欠かせない。今年は、泡を凍らせて載せたフローズンビールが発表され話題を呼んでいる。一方、一昨年から同様に行列が続くのは氷点下ビールが人気のビアバーだ。各社が提案する冷たいビールの飲み方から、ビールの新しい味わい方を探ってみた。

フローズン状の泡がビールのふたに

 ビールをより冷たく、楽しく飲もうと、今年キリンビールが新たに提案した飲み方が、「一番搾りフローズン生」だ。全国6カ所にオープンした「一番搾り FROZEN GARDEN(フローズンガーデン)」や飲食店で提供しており、話題を呼んでいる。

マイナス5度の泡が載る「キリン一番搾りフローズン生」 (画像提供:キリンビール)

 このビールは、マイナス5度の細かいフローズン状のビールの泡をキリン一番搾り生ビールの上に乗せたもの。ソフトクリームのような泡を載せたビールの姿は、どことなく可愛げもある。泡を口の中に入れたときのシャリという食感は、新しいような不思議な感じだ。泡はビールのふたの役割もしている。30分たっても泡は消えないので、その下のビールを冷たいまま維持できる。

 「ビールは冷たい方がおいしい。でも、ただ冷たくするだけでは目新しさはないと思ったのです」と話すのは、フローズンビールを開発したキリンビールマーケティング部の田代美帆氏。

 はじめはシャーベット状のビールを作ってみようと思ったが、うまくシャーベットにならず、味も悪かった。ビールを冷やしすぎると、冷たさがビールの味を消してしまう。そこで思いついたのが、泡だけを凍らすことだった。

 スムージー(果物や野菜を使ったシャーベット状の飲み物)マシーンを使って、なめらかな泡を作ることを試みた。技術チームと試作を繰り返し、凍結撹拌技術を開発した。スムージーのマシーンの中に備えた独自の羽で、空気を巻き込みながら撹拌と凍結を繰り返す。すると、ビールのエキス分が濃縮され、濃厚できめの細かい泡ができる。

 泡を楽しむための専用のグラスも開発した。口径を通常のグラスの約60ミリより大きい93ミリとした。「グラスの口径が大きいと泡とビールが一緒に口に入るので、泡とビールを同時に味わえます」と田代氏は説明する。

辛口やキレが際立つ氷点下のビール

 一方、アサヒビールは、「アサヒスーパードライ」を氷点下まで冷やして味わう「スーパードライエクストラコールド」を2010年から提案している。

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サイエンスライター、明治学院大学非常勤講師(生物学)、農学博士。食品会社の研究員、大学の研究員、教員などを経て現在に至る。研究所の広報誌やサイトなどにも原稿を執筆している。


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