(2012年7月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
津波に見舞われた福島第一原子力発電所の事故を調査する委員会のトップ、黒川清氏は、この原子力危機の根本的な原因は日本文化の欠点にあると考えている。果たして本当にそうなのだろうか?
この問いの答えは全世界にとって重要だ。福島第一原発では昨年3月に原子炉がメルトダウン(炉心溶融)を起こし、この四半世紀で世界最悪となる原子力危機に発展した。
同原発がなぜこれほど脆弱だったかを理解しておくことは、各地にあるほかの原発での事故を防ぐうえで極めて重要なことになる可能性がある。
事故の背景に文化的な欠点の兆候を見いだすのは容易だが・・・
黒川氏は医学博士で、日本学術会議の前会長でもある。今回の災害が「日本製(メード・イン・ジャパン)」だったと主張するための弾薬には事欠かない。
東京電力の福島第一原子力発電所3号機建屋〔AFPBB News〕
黒川氏の率いる国会事故調査委員会はその最終報告書で、規制当局と電力業界が甘い安全基準を導入したり地震や津波による脅威を説く警告を退けたりするために結託したと批判している。
このような馴れ合いは、「日本株式会社」に見られる大企業と官僚の協力的な――非常に生産的になることもある――関係の負の側面だった。
日本の新聞の読者やテレビの視聴者の多くは、主流派メディアには「権力者を疑問視したがらない態度」を取ってきた責任があるとの指摘にも同意するだろう。黒川氏はこれを、危機を引き起こすことになった「日本文化に根差した慣習」の1つと見なしている。
また、効果的な防災計画がなかったこと、事故発生時に規制当局や東京電力の幹部が効果的に対処できなかったことなどにおいて、黒川氏の言う文化的な欠点――「反射的な従順さ」「集団主義」「島国根性」など――の兆候を見いだすのも容易だ。
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