経営を強くする

モンスターペアレントを受け入れる企業日本的経営を改めて考えてみた(31)

2012.05.16(水)  前屋 毅

親と一緒の入社式は新しい流れになるのか――と書いたのは5月3日付の「産経新聞」(電子版)だった。親の入社式への出席を歓迎する企業側の狙いは、どこにあるのか。これも、企業の変化の兆候なのだろうか。

 同記事によれば、静岡銀行グループでは2008年から新入社員の親を入社式に招待しているという。今年の入社式には222人の新入社員に対し、150人の親が出席したそうだ。

 それだけではない。同グループでは、入社式前に親だけを集めて、頭取自らが業界を取り巻く環境や勤務内容について説明したというのだ。それについて、「社会に出れば不安もあり、生活も大きく変わる。新入社員は研修で社会人として成長していくが、銀行業務を保護者にも理解してもらい、サポートしてもらいたい。親から推薦されるような会社でありたい」と、静岡銀行広報室は説明したという。

大学でも会社でも親が付き添い

 産経の記事は、「採用やその後の社会人生活で親を味方につけることで、ブランド力を高めることが狙いだ」と解説する。親も取り込んで「応援団」にしてしまおう、というわけだ。

 そうした狙いは、分からなくもない。しかし、なぜか引っかかるものを感じるのも事実なのだ。親が付き添って入社式に参加する新入社員が働く銀行に、信頼感ではなく不安を感じてしまうのは、果たして少数派なのだろうか。

 企業についても、親の力を借りなくては新入社員教育ができなかったり、親まで動員しなくてはブランド力を高められないのでは心もとない、と言うしかない。

 産経の記事も指摘しているが、こうした親がしゃしゃりでてくる現象は、大学で顕著になっている。我が子の入学式に出席したがる親が多すぎて、整理券を配布して入場制限しなければならない大学が多発しているそうだ。

 入場制限こそしていないものの慶應義塾大学では、2010年まで親は入学式場とは別の会場でモニターを見ていたが、昨年からは親も子どもと一緒に入学式に参加する方式に変えたそうだ。子どもの入学式なのか親の入学式なのか、分からない状況になっている。

 その流れの延長として、親が入社式にも出席する傾向が…

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