(2012年1月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
大統領選挙の年が開けて早々、1人の候補者(バラク・オバマ大統領)が重要政策の柱として、対抗馬になりそうな相手(ミット・ロムニー氏)の税金を2倍にする対策を掲げることは、滅多にあることではない。
オバマ大統領は、年に1度行われる議会での一般教書演説で、ロムニー氏をあえて名指しする必要はなかった。
富裕層の実効税率は30%に
1月24日、上下両院合同会議で一般教書演説に臨むバラク・オバマ大統領〔AFPBB News〕
年収100万ドルを超える人に30%の実効税率を課すというオバマ大統領の提案は、ロムニー氏が2010年に得た2160万ドルの収入に約14%の税金しか払っていなかったことを渋々明かした数時間後に、思いがけず出てきたものだ。
オバマ大統領の計画には、「ウォール街を占拠せよ」のような気配が少なからず漂うが、ホワイトハウスに公平を期すために言えば、大統領はここしばらく、金持ち叩き路線を歩んできていた。
ウォール街占拠運動の勃発は、昨年暮れになって、オバマ政権にアクセルを踏み込ませたにすぎない。
貧富の格差が拡大し、かつて増加していた裕福で将来性豊かな米国中産階級の間に明らかな衰退の感覚があるため、富裕層に「応分の負担」を負うよう求めるオバマ大統領の要求は、勝利をもたらす戦略になる可能性がある。
租税政策では沈黙を守るロムニー氏
ロムニー氏は差し当たり、この点では、いつまでもおいしいネタだ。ベイン・キャピタルの共同創業者である同氏が首尾よく共和党の大統領候補になった場合には、自身のプライベートエクイティのパートナーシップから得た利益に対する税率がなぜ15%であるべきなのかをずっと弁護し続ける羽目になるかもしれない。
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