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(2012年1月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

S&Pのフランス格下げ誤配信、原因は技術的ミス

ユーロ圏9カ国の一斉格下げなどで話題を呼んだ米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)〔AFPBB News

格付け機関を責めるなという発言を何度も耳にする。それに対する筆者の最初の反応は、「なぜ責めてはいけないのか」というものだ。そして、然るべき熟慮の末の反応は「一体全体なぜダメなのか」というものだ。

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がユーロ圏の多くの政府を格下げし、フランスから大切なトリプルA格付けを奪ったことで、格付け機関が再びニュースの見出しを飾るようになった。

 ニュースになろうとするS&Pの熱意には、どこか不穏なところがある。皮肉屋なら、これは通俗的なマーケティングツールだとするS&Pの言い分の芝居気を感じ取るかもしれない。S&Pと比べると、ムーディーズとフィッチはずっとおとなしい感じがする。

S&Pに今さらそんなこと言われても・・・

 しかし今回、S&Pには、世間に授けるべき知恵があった。同社の大勢のエコノミスト、アナリスト、金融専門家は、驚くべき見識を提供した。緊縮財政だけではユーロ圏諸国の国家財政を修復できない。彼らは厳かにそう言った。弱い経済国は、落ち込む税収を復活させるために成長する必要がある、と。

 ああ、そうだったのか! もしかしたら、S&Pはノーベル賞を狙っているのかもしれない。

 今この時点で、格付け機関は政治家に対して緊縮に緊縮を重ねるよう説く人々の先頭に立ち、ケインズの倹約のパラドックスについて考えただけでも即刻格下げするぞと脅していたことを振り返るのは、恐らく意地が悪いのだろう。

 何しろS&Pは我々に、2つ目の強烈な新事実を教えてくれた。国の支払い能力に対する脅威は、単に個々の国の赤字と債務を反映したものではない。違う。欧州の統治の問題もある。プロセスは煩雑だ。ユーロ圏17カ国はなかなか、迅速で決然とした行動を取ることができない――。

 この2年ほど、アンゲラ・メルケル独首相やニコラ・サルコジ仏大統領、その他の首脳が何度もブリュッセルで首脳会議を重ねるのを見てきた人は誰も、国内の政治とユーロ圏の経済情勢の折り合いをつけようとする努力が障害を取り除いたとは決して思わないはずだ。そうじゃないのか?

 筆者は、格下げはフランスを侮辱し、単一通貨を破壊するアングロサクソンの陰謀だというサルコジ大統領のような妄想を抱いているわけではない。それに、フィッチはフランスと関係があるのではなかったか? 

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