(2012年1月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
JALは金融機関以外では戦後最大の経営破綻を経て、再び上場企業として飛び立とうとしている〔AFPBB News〕
日本の産業界が数カ月前から重苦しい雰囲気に覆われていることを考えれば、今は日本航空(JAL)の復活を歓迎するのにうってつけの時期だ。
会社更生法の適用申請から2年間、かつてのフラッグキャリアは大胆な事業改革を推進してきた。今では多額の黒字を計上するほどになり、年内の株式売り出しと再上場が視野に入っているようだ。
その意味でJALは、1000億円もの会計スキャンダルが明るみに出た光学機器メーカーのオリンパスや、福島第一原子力発電所の事故で打ちのめされた東京電力など、突然苦境に陥った企業の関係者が参照する手本になる。
稲盛氏が率いたJALの再生、民主党政権にとって珍しい勝利
またJAL株の売り出し(5000億円以上の規模になると報じるメディアもある)が成功すれば、与党・民主党にとっては珍しい政策面での勝利となろう。同党は2009年の総選挙で歴史的な勝利を収めたものの、なかなか成果を上げられずにいる。
かつての与党、自民党は航空会社の問題に対し政府主導での救済を志向していたが、政府主導でのJAL救済をやめさせたのは就任間もない民主党の大臣だった。その結果JALは破綻し、金融機関以外では戦後最大の経営破綻となった。
この後、国の出資を受けた企業再生支援機構(ETIC)がJALの再建計画に3500億円を投じており、政府は今、この資金の十分な回収を期待できるようになっている。
京セラの創業者で民主党の支持者でもある稲盛和夫氏にJALの再建を頼んだのも民主党政権だった。『生き方』『働き方』といった経営書の著作があり、禅宗の僧侶でもある79歳の稲盛氏はJALに乗り込み、官僚制と既得権益にどっぷりつかっていたかつての名門企業にとって明快かつ果断な指揮を執ることがいかに価値あることであるかを示した。
その過程では厳しい物言いをすることもあった。稲盛氏は2010年、JALの幹部では「八百屋の経営も難しい」と苦言を呈した。
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