世界的な金融危機・景気悪化・デフレ懸念浮上を受けて、各国中央銀行は急ピッチで利下げを行っている。「20年バブル崩壊」で市場参加者が念頭に置くべき重要ポイントを筆者が6つ掲げているうちの(5)「各国政策金利の低水準への収斂」(日本と同じ0%台への到達・接近)が、着々と進行している。

 

 4日は、主要国ではこのほか、スウェーデンの中央銀行リスクバンクが1.75%という同行として過去最大幅の利下げを行い、レポレートは年2.0%になった。デンマーク中銀は0.75%利下げを実施し、政策金利である1週間物CD・貸出金利は4.25%になった。ニュージーランド準備銀行はオフィシャルキャッシュレートを過去最大幅の1.5%引き下げて年5.0%とした。

 筆者は11月6日の英欧利下げに関するリポートの中で、サブプライムローン問題が火を噴いた2007年8月時点ではちょうど20%だったG7の政策金利合計が、ほぼ半分の9.8%になったことを指摘した(「G7政策金利が半減」ご参照)。その後も「政策金利デフレ」が続いており、12月4日の英欧による大幅利下げで、金利合計は8.05%になった。筆者は2009年3月までに、少なくとも5%まで、さらに縮むものとみている。

【G7の政策金利水準合計】
・(2007年8月末時点)
米国5.25%+ユーロ圏4.0%+英国5.75%+日本0.5%+カナダ4.5%=20.0%

・(2008年11月6日時点)
米国1.0%+ユーロ圏3.25%+英国3.0%+日本0.3%+カナダ2.25%=9.8%

・(2008年12月4日時点)
米国1.0%+ユーロ圏2.5%+英国2.0%+日本0.3%+カナダ2.25%=8.05%