(2010年3月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
韓国には追い払うべき亡霊がいる。1907年にオランダのハーグで開かれた第2回国際平和会議に密使として送り込まれたものの、出席を拒まれてしまった李儁(イ・ジョン)の亡霊だ。韓国で言い伝えられているところによれば、ボウタイをつけ、口ひげを生やした李儁は、これで日本による朝鮮半島植民地化構想を食い止めることが不可能になったと考え、宿泊していたホテルの一室で自決したという。
このハーグ密使事件の3年後に、日本は朝鮮半島の植民地化を完了させた。そして、韓国が世界に軽んじられたことに打ちのめされた悲劇の英雄と見られていた李儁は、国際問題における韓国の無力さを示す象徴的な存在となった。
屈辱の歴史を過去に捨て去り、G20の議長国に
それから1世紀。今年、主要20カ国・地域(G20)の議長国を務める韓国は、この歴史を文字通り過去のものにしつつある。
この国は今や、世界的な不況から他国に先んじて立ち直っただけでなく、人民元相場を巡る中国政府と米国政府の衝突という今年最大級の難問の解決に向けて外交面でも主導的な役割を果たし得る存在になっている。最大の貿易相手国である中国とも、そして主たる軍事同盟国である米国とも、どのように話をすればよいか理解しているからだ。
李明博大統領は、G20の議長国を務めることは韓国が成人した証しだと語っている〔AFPBB News〕
実際、経営者的なものの考え方をする李明博(イ・ミョンバク)大統領は、G20の議長国になったことは韓国が成人になったことを示すものだと語っている。
また、誇張表現を多用したあるラジオ演説では、「この世界は2つのグループに分けられる。世界のルールを作るグループと、それに従うグループだ」と述べ、韓国は「追従するだけの受け身の国から、積極的に関与するアジェンダ・セッターへの転身に成功した」と言い切った。
確かに、1950~53年の朝鮮戦争で瓦礫の山と化した状態から立ち直り、アジアで最も豊かな国の1つになった韓国は、アジェンダ・セッターの役目を担うに相応しい。韓国の1人当たり国民所得は約2万ドルに達しており、かつての宗主国との差は市場価格ベースで5000ドルしかない。また経済成長率は日本よりはるかに高いため、この差は急速に縮まりつつある。
欧米や日本の多国籍企業が恐れる韓国企業の躍進
自動車や電子製品、そして船舶の製造における効率の高さで以前から知られていた韓国企業が、原子力や高速鉄道などほかの分野でも急速に台頭していることに、日本だけでなく欧米諸国の多国籍企業も慌てている。
金融サービス分野でも韓国の変化は明らかだ。これまで保守的な運用を続けてきた韓国国民年金(NPS)は、2014年までに外国資産の保有残高を現在の4倍に当たる1000億ドルに増やそうとしている。
-
本格回復の初期兆候を見せる米国経済 (2012.02.10)
-
民主選挙に沸く烏坎村、それでも中国は変わらない (2012.02.10)
-
品質を求め始めた中国の消費者 (2012.02.09)
-
高所得国の危機とインド経済 (2012.02.09)
-
円売り介入に警戒感強める為替トレーダー (2012.02.08)
-
ユーロ圏の盟主ドイツの悩み (2012.02.08)
-
米国の衰退の現実 (2012.02.07)
-
イタリア製造業を支える中小企業の苦境 (2012.02.07)
-
いよいよ本格化する中国富裕層の資本逃避 (2012.02.06)
-
フェイスブックはIPOを白紙撤回すべきだ (2012.02.06)


SHARE
RESIZE
Small Size
PRINT
Small Size
Large Size












