(2010年3月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
急速に鉄道網の整備を進める中国が、手に入れたノウハウを武器に国外に打って出る〔AFPBB News〕
世界の高速鉄道車両業界はこの数十年間、欧州や日本、北米を本拠地とする一握りの企業に支配されてきた。各社の活動の場も、地元市場のプロジェクトがほとんどだった。
しかし今、折しも高速鉄道を敷設するプロジェクトが世界各地で始まった時に、中国国有の鉄道車両メーカーが急激に存在感を強め、ドイツのシーメンス、フランスのアルストム、カナダのボンバルディア、日本の川崎重工業などによる寡占状態を脅かしている。
世界各国の鉄道事業で存在感を増す中国
「中国企業は世界の鉄道関連市場の風景を塗り替えつつある。自国の市場が広大であることと、外国の開発案件への関与という新しい要素も出てきたことがその理由だ」。アルストムのアジア太平洋地域担当マネジングディレクター、ドミニク・プーリケン氏はこう語る。
つい先日も、中国国有の鉄道設備メーカーがどれほど競争力を高めてきたかをうかがわせる出来事が報じられた。サウジアラビアのメッカとメディナを結ぶ「ピルグリム・エクスプレス(巡礼急行)」の第2期工事への入札をシーメンスが取り下げ、中国主導の企業連合に加わったのだ。
中国企業は世界市場では新顔であり、品質や技術の面では欧州のライバルにまだ後れを取っているものの、かなりの優位性も備えている。
「彼らの最大の強みは価格だ。それに、中国の国有銀行による資金支援との連携が非常によく取れている」。プーリケン氏は本紙(フィナンシャル・タイムズ)の取材に応じてこう述べた。「技術面のソリューションと融資をセットにして売り込んでいる。だから買い手である各国政府は、中国製品を採用しがちになっている」。
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