もし筆者が中国が明言する立場を正しく理解しているとすれば、中国としては自国が黒字を削減する代わりに、米国が財政および金融の収縮、そして恐らくは国内物価の下落を通じて縮小均衡を図り、競争力を取り戻すことを望んでいる。
それは米国にとって恐ろしいことだ。だが、中国にとっても、その他の世界各国にとっても恐ろしいことである。また、そんなことは実現しない。中国も間違いなくそれは分かっているだろう。
こうした問題の背景にあるのは根本的な分裂だ。黒字国は、従来と変わらぬ行動を取り続けると主張する。しかし、これらの黒字国は、ひとたび顧客である輸出先の国が破綻すれば、自国の輸出依存が結局自らに跳ね返ってくるということを認めようとしない。それがまさに今起きていることなのだ。
一方、過去に多額の対外債務を出してきた国々は、自国の純輸出が急増して初めて、バブル後の民間部門のデレバレッジング(負債の圧縮)の結果生じる巨額の財政赤字を削減することができる。
「近隣窮乏化」の戦いに陥る世界
もし黒字国が総需要の拡大を通じてこうした赤字国のシフトを相殺できなければ、世界は必然的に「近隣窮乏化」の戦いに巻き込まれる。すべての国が必死になって、貿易相手国に過剰供給を押しつけようとするのである。これは1930年代の大惨事の大きな要素でもあった。
この戦いにおいて、黒字国が勝つ見込みはない。ユーロ圏の分裂はドイツの製造業に極めて悪い影響を及ぼす。米国が保護主義に訴えれば、中国に極めて悪い影響を及ぼす。
神は破滅させようとする者をまず狂わせる。協調的な解決策を模索するのは、まだ遅くない。両方の側が調整する努力を払わなければならない。この際、独善的な道義を説くのはやめた方がいい。代わりに、ごく普通の良識を使ってみてはどうか。
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