(2010年3月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
「Chermany(チャーマニー)」が先週発言すると、世界が耳を傾けた。言ったことは論理的だったか? ノー。発言は独善的だったか? かなり独善的だった。発言内容は危険だったか? イエス。では、もっと賢明な意見が結局これに打ち勝つだろうか? 筆者は疑わしいと思う。
読者の皆さんは「Chimerica(チャイメリカ)」について聞いたことがあるかもしれない。中国経済と米国経済の間で起きているとされる融合を表現するために、ハーバード大学の歴史学者ニーアル・ファーガソン氏と、ベルリン自由大学のモーリッツ・シュラリック氏が編み出した造語だ。
「Chindia(チンディア)」についても聞いたことがあるかもしれない。こちらは、中国とインドが一体化したアジアの巨人を表現するために、インドの政治家ジャイラム・ラメシュ氏が作った造語だ。
さて、ここで皆さんに、世界最大の純輸出国が合体したチャーマニーをご紹介しよう。今年の経常黒字が2910億ドルに達する見通しの中国と、1870億ドルの黒字が予想されているドイツの複合体である。
世界最大の純輸出国「Chermany」の言い分
中国は昨年、ドイツを抜いて世界最大の輸出国になった。その中国とドイツの主張が、世界経済を脅かす・・・〔AFPBB News〕
言うまでもなく、中国とドイツは大いに異なる。しかし、多くの相違点にもかかわらず、両国はいくつかの特徴を共有している。両国は世界最大規模を誇る製造業の輸出大国で、今では中国がドイツの上を行く。両国とも貯蓄が投資を大きく上回る黒字国であり、ともに多額の貿易黒字を出している。
また、ドイツと中国は、自国の顧客である貿易相手国はモノを買い続けるべきだが、無責任な借り入れはやめるべきだと考えている。両国の黒字には必ず他国の赤字が伴う以上、この立場は論理性を欠く。
黒字国は赤字国に資金を貸さなければならない。債務ストックが大きくなりすぎると、債務国はデフォルト(債務不履行)する。そうなると、黒字国が自慢する「貯蓄」は幻想だったということになる。モノを売るためにカネを貸すベンダーファイナンスは事後的に、公然たる輸出補助金になるわけだ。
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