日本の財政赤字:終末の日はまだ先

2010.03.16(Tue) The Economist

The Economist

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(英エコノミスト誌 2010年3月13日号)

日本の国家財政には憂慮すべき未来が待ち受けている。

ギリシャ神話に登場する悲劇の預言者カッサンドラは呪いをかけられていたため、その警告は誰にも信じてもらえなかった。日本の国債市場の破滅を予言する人々も同様の運命に耐えているが、カッサンドラほどの悲運ではない。予言があまりに早過ぎただけだ。

 日本国債の破滅は何年も前から明白であるように思われた。日本は財政赤字を出し続け、格付け会社に国債格付けを引き下げられてきた。国債利回りは1~2%で推移していたことから、弱気筋の賭けによる利回り下落リスクは限定的で、反対に上昇の余地が極めて大きいように見えた。

あまりに早過ぎた予言

 ところが、そのような動きは全く起きていない。日本政府はいまだに、世界で最も低い借り入れコストを享受している。20年物国債の利回りは今でもわずか2.1%、2年物に至っては0.15%という驚くべき水準にある。

 なぜか? 決定的な理由は、日本が資金調達を外国人に頼っていないことだ。国外に暮らす投資家が保有する日本国債の割合はわずか4%に過ぎない。また、この利回りは非常に小さく見えるかもしれないが、日本ではデフレが長引いているという事情から、実質ベースではまだプラスだ。

 一方、日本では預金の利息が事実上ゼロであり、東京証券取引所の株価は1989年のピークと比較して75%ほど安い。こうした事情を考えれば、国内の投資家たちが国債が一番ましだと考えてきたことは間違いない。

 大手銀行HSBのエコノミスト、スティーブン・キング氏は、奇妙なプロセスが起きていると指摘する。すなわち、膨らんだ財政赤字により、企業が将来の危機に対し警戒感を募らせ、その結果、成長が鈍化してデフレに陥り、国債への需要が継続しているというのである。

 だが、フランスのソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、ディラン・グライス氏は、審判の時はそう遠くないかもしれないと主張する。同氏は、2010年内に213兆円の国債が借り換えになるという数字を引用してみせる。これは日本のGDP(国内総生産)の45%に相当する額だ。

 一方、退職年齢に達する国民が増えているため、家計はかつてほど貯蓄しなくなっている。可処分所得に対する貯蓄の割合は、過去25年間で約16%から3%に低下した。さらに、日本国債の最大の保有者の1つである年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国債をこれ以上引き受ける資金はないと認めている。

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