(英エコノミスト誌 2010年3月6日号)
模造品が急増し、企業や政府を狼狽させている。
タイで人気のポルシェの「レプリカ車」。レプリカと言えば聞こえがいいけれど・・・〔AFPBB News〕
本来「模倣」は何より嘘偽りのない称賛のはずなのに、大半のブランド企業はそう捉えていない。タバコ大手のフィリップ・モリスは3月1日、同社製「マルボロ」の模造品を販売したとして米国の小売企業8社を提訴した。
インターネットの普及、国際的な供給網の拡大、そして最近では世界的な不況の影響も手伝って、あちこちに模造品が溢れている。バンコクでは、ポルシェやフェラーリの模造車が街中を走っている。
高級ブランド以外に大きく広がる模造品
「ドイツのある銀行で、準備金の中にタングステンで作られた金塊の模造品が見つかった」――。世界中の金融機関で同様の被害が相次いでいるとの報告を受けて調査に取り組んでいたドイツのテレビ局はこう報じた。米航空宇宙局(NASA)でさえ、模造品の疑いのある資材をつかまされた。
「かつて模造品は高級品特有の問題だった」と、米国税関で知的財産の保護業務を担当するテレサ・ランダッソ氏は語る。それが今や医薬品やコンピューター部品など、「経済により大きな影響を与える」模造品が取引されるようになったという。
米商務省の最新の調査報告によれば、模造品は軍部にまで入り込んでいる。軍の電子システムで見つかる模倣品の数は、2005年から2008年にかけて2倍以上に増えており、ハイテク兵器に被害を及ぼしている可能性もある。
経済協力開発機構(OECD)は、2007年の模倣品や海賊品の国際取引がおよそ2500億ドルに相当したと試算している。
だが、圧力団体の国際模倣対策連合(IACC)は、実際は6000億ドルに近い数字だったと見ている。OECDの試算には、海賊品のオンライン取引や、現地で作られた模造品が国内で売られる取引が含まれていないからだ。IACCの試算によれば、模造品の取引は世界の貿易全体の5~7%を占めている。
生産拠点の移転、インターネットの台頭、先進国の景気後退・・・
近年、偽造が増加している背景には、いくつかの要因が考えられる。まず、世界中の生産拠点の多くが知的財産保護がお粗末な発展途上国に移ったことで、それらの国に類似品を作る技術と機会を与えてしまった。また、インターネット全般、そして特にeベイなどの電子商取引サイトが模造品の流通を容易にした。
JBpress特典として、最新号がプレゼントされます。
- コメントはまだありません。
» コメントを書く
- ハンバーガー経済学で通貨を読む (2010.07.30)
- 米国の住宅市場:不必要悪 (2010.07.29)
- 米国の失業給付:仕事が欲しい! (2010.07.28)
- 英国政治:欧州とトロイのプードル (2010.07.27)
- 米国の罪と罰:行き過ぎた厳罰主義 (2010.07.26)
- ■中国中国人が日本に大量移住、その数毎週500人 (07月30日)
- ■Financial Times二番底の懸念が高まる世界経済 (07月30日)
- ■Financial Timesインドのカメは速度を上げよ (07月30日)
- ■The Economistハンバーガー経済学で通貨を読む (07月30日)
- ■国防ネット時代は兵器より情報が勝敗決す (07月30日)


RSS
Twitter
最新記事
最新記事
SHARE
RESIZE
Small Size
Large Size
PRINT
Small Size
Large Size









