(2010年3月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
日本は一体どれくらい、国家債務を支障なく増やせるか。1995年にこう問われた武村正義大蔵相(当時)は、債務は「既に限界を超えている」と言い切った。当時の政府債務総額はたかだか、GDP(国内総生産)の86%相当だった。それが今年は200%前後に達する見通しだ。何とも、とんだ限界である。
それでも、日本の国家債務の先行きを悲観する向きが黙ることはなかった。ギリシャの苦難を見て人々がソブリンリスクにより敏感になる中、市場アナリストは今、一部の指標では日本の財政基盤はギリシャの財政基盤よりも危うく見えると指摘する。
「日本は次のギリシャだ」。投資家向けウェブサイト「シーキング・アルファ」に掲載された最近の記事は、こう断じていた。
これに対する一番の答えは、「息を止めて待たない方がいい」というものだろう。日本の債務負担はギリシャのそれより大きいかもしれないが、日本はギリシャほど投機筋の圧力に弱くない。
ギリシャとは事情が違うが・・・
実際、武村氏は15年前に、債務コストのせいで国の資金調達力が落ちると懸念していたが、民主党率いる日本の新政権は、現在国会で審議されている、過去最大92兆円の2010年度予算の基盤を築くのに何の苦労もしていない。
投資家は今週、ギリシャの亡霊に震え上がるどころか、表面利率がたった1.4%の10年物日本国債の入札に喜んで応じた。
だが、日本がギリシャ流の突然の崩壊に見舞われていないからといって、日本が健全だという結論を引き出すのは賢明でない。もしこのまま放置されれば、武村氏が心配した傾向は、確かに惨事が起きる可能性を示唆している。昨年、政府の国債発行額が1946年以来初めて税収を上回ったことは懸念材料だ。
楽観論者は、日本の債務総額に固執するのは間違いだと主張する。ネット(純額)で見れば、日本の債務はGDP比100%を多少上回る程度にすぎないというのがその理由だ。結局、ネットの債務額が小さいのは、国が円換算で100兆円超の外貨準備を持ち、また、日本国債もかなり保有しているためだ。
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