(2010年3月4日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ギリシャのヨルゴス・パパンドレウ首相(右)の行く手には、まだ難題が待ち受けている〔AFPBB News〕
ギリシャのアナリストたちは数カ月前から内々に、社会主義政党の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)率いる同国政府がいつ、不可避と見られる経済政策の方向転換に踏み切るか議論してきた。
数カ月間にわたって国際金融市場から絶え間ない圧力を受けた末、3月3日、ついにその方向転換が起きた。ギリシャにとって、第2次世界大戦後最も厳しい財政再建計画が打ち出されたのである。
昨年10月の総選挙で圧勝した余波もあって、ヨルゴス・パパンドレウ首相は、賃金引き上げ、社会支出の増額、「グリーン」な開発への巨額の公共投資という選挙前に掲げた公約を放棄するのに抵抗してきた。
パパンドレウ首相に劇的に異なる進路を取らせるには、ギリシャ国債市場の混乱だけでなく、あるギリシャ政府関係者の言葉を借りるなら、欧州政財界の大物からの「非公式の叱責」が必要だった。
ECBのトリシェ総裁やドイツのメルケル首相が「非公式に叱責」
ここ数週間で、欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長や欧州中央銀行(ECB)のジャン・クロード・トリシェ総裁、ドイツのアンゲラ・メルケル首相がパパンドレウ首相に対し、もっと踏み込んだ改革を行わない限り、ギリシャはほかの欧州諸国から関係を絶たれるリスクを冒すと警告した。
年金給付の凍結と、クリスマスとイースター(復活祭)の公務員ボーナスの削減、付加価値税(消費税に相当)の引き上げを決定するために3月3日召集された閣議では、パパンドレウ首相は反抗する恐れのある閣僚に向かって、社会主義のイデオロギーは少なくとも一時的に棚上げせざるを得ないと語ったとされる。
公の場では、今も高い支持率を誇るパパンドレウ首相はギリシャ人の間で深まる危機感を映して言葉遣いを強め、新たな対策は「惨事」を避けるために必要なものだと語った。ギリシャでは、惨事というのは、1922年にトルコに悲惨な軍事的敗北を喫した一件と結びつけられる言葉で、敗戦後、ギリシャは何年も続く経済危機に陥り、一度はソブリン債もデフォルト(債務不履行)した。
新たな財政再建策は、緊急時の手順に基づき、今週中にギリシャ議会で承認される見通しだ。これによってパパンドレウ首相が週末にベルリンとパリを訪れ、ユーロ圏諸国に何らかの形の金融支援を要請する道が開ける。
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