Financial Times

中国経済に膨大な銀行預金という難題

政府の対策が効かず、インフレや資産バブルが進む恐れも

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(2010年3月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

中国、外貨準備の運用失敗で800億ドル目減りか 英FT紙

温家宝首相は、中国経済にとって2010年が最も複雑な年になると語っている〔AFPBB News

昨年の今ごろ、世界経済が急降下していた時、中国の温家宝首相は、2009年が同国にとって過去10年間で最も「困難」な年になると述べていた。今年は、経済情勢が最も「複雑」な年になると語っている。

 温首相の課題のリストの上位に位置するのが、中国が昨年実施した巨額の金融刺激策をどうやって終了させるか、だ。金融刺激策を受けて、中国では信用供与が30%伸び、経済が名目ベースで7%成長した。

 温首相はインフレが始まるのを防ぐために近く手を打つ必要があるが、再び景気を後退させるほど急いではならない。

 中国の政策立案者にとって、こうした状況を複雑にするのが、記録的な規模に膨れ上がった銀行預金である。ここ数週間、世界の市場は金融引き締めのシグナルを探して、中国の銀行の新規信用供与額を熱心に注視してきた。

 だが、一部の観測筋は、高水準の銀行預金も同じくらい重要だと見ている。預金が多いということは、当局は多くの投資家が思っているほど金融政策をコントロールできないことを意味するかもしれないからだ。これは中国国務院も関心を向けるようになった問題だ。

GDPの150%相当に達した銀行預金

 「中国経済はそれほど信用に依存していない。むしろ預金と、それが経済のどこにあるかに大きく左右される」。マッコーリー・リサーチのエコノミスト、ポール・カベイ氏はこう言い、銀行システムの中にある家計と企業の預金は今、GDP(国内総生産)の150%に相当し、過去最高に達しているとつけ加える。

 中国の中央銀行は、経済に流れる信用のレベルを調節するうえで、大半の国より多くの手段を持っている。その1つが、商業銀行の融資割当を決定する権限で、今年はその上限を7兆5000億元(1兆980億ドル)に設定し、2009年の9兆6000億元から減額している。

 だが、銀行預金が経済に与える影響は、政府よりも数百万の家計と企業の決断に大きく左右される。

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