レーガン神話が米国の保守主義をダメにした

ならず者と化した共和党議員

2010.03.03(Wed) Financial Times

Financial Times

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(2010年3月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

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どうしてこの人が共和党の大統領候補と言われるのか?〔AFPBB News

先週末のこと。筆者はサラ・ペイリン氏の回顧録『Going Rogue(ならず者として生きる)』を苦労しながら読み進めているうちに、どうして米国の保守主義はこんな風になってしまったのか、という疑問にとらわれた。

 この本は何とも独りよがりで、軽々しく、国家主義的で、独自の思想というものが全く見当たらないのである。

 なぜこの女性が米国右派の星になったのか。どうしてこれほどの人気を集め、2012年の大統領選挙で共和党候補に指名される最有力候補だとするブックメーカーまで登場することになったのだろうか。

 そうこうするうちに、筆者ははたと気がついた。共和党の堕落は故ロナルド・レーガン元大統領とともに始まったのだ、と。

 妙な話だと思われるかもしれない。何しろレーガン氏と言えば、大統領選挙で2度勝利を収めた保守派の英雄だ。しかし実を言うと、「レーガン主義」として今日知られる思想は、保守主義で最も重視される価値観の一部をとことん破壊する力があった。

 伝統的な保守主義者はポピュリズム(大衆迎合主義)を軽蔑し、知識を重んじる。国家財政は均衡させるのが正しいと信じている。イデオロギーはうさん臭いと考える現実主義者でもある。だが、レーガン氏はこうした思想をことごとく貶めた。そして、現代の米国保守主義はいまだにそのせいで苦しんでいる。

「知恵ある愚者」への崇拝

 レーガン氏の神話によって広まった思想のうち最も大きなダメージをもたらしているのは、知恵ある愚者への崇拝である。例えば、保守派の評論家ディネシ・デスーザ氏が書いたレーガン氏を称える伝記の1行目には、「バカであることが本当に役に立つ時もある」とはっきり記されている。

 デスーザ氏はこの本で、知識人が(保守派の知識人までもが)レーガン氏を軽蔑していたという話を次から次へと紹介している。彼らは、レーガン氏がホワイトハウスでの閣議の最中にジェリービーンズを色別に分ける癖や、怪しい逸話を好むところなどを蔑んでいたという。

 しかし、デスーザ氏は、「バカ」の方が正しく、頭でっかちのインテリの方が間違っていたと結論づけている。

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