危機の中心にベビーブーム世代の高齢化

人口構成から見た株式・債券投資

2010.03.02(Tue) Financial Times

Financial Times

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(2010年3月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

高齢化進むドイツ、2030年には3人に1人が高齢者

今回の危機の背景には、人口の高齢化という大きな問題がある〔AFPBB News

今はファンドマネジャーという仕事に就くのに最適な時期ではない、と読者は思うかもしれない。確かに今は債券も株式も代替投資も、すべてが危なっかしく見える。

 単に悪いことが重なっただけだ、と思いたくもなる。まず銀行危機があり、ギリシャの債務危機などが立て続けに起きたからだ。しかし、これらは原因ではなく、結果だと言っていい。何しろ、これらの現象の背景にはもっと深刻な問題がいくつか存在している。ベビーブーム世代の高齢化もその1つだ。

 この問題は1990年代にずいぶん議論された。その後はもっと緊急性の高い問題が次々に持ち上がって脇に追いやられていたが、ここへきて舞台の中央に戻りつつあるようだ。

米国株のPERは人口構成の変化を見事になぞる

 ご承知のように、人は中年になると所得が増え始め、老後に備えた貯蓄ができるようになる。投資銀行バークレイズ・キャピタルがまとめた過去半世紀のデータによれば、米国株のPER(株価収益率)は、人口全体に占める30代半ばから50代半ばの年齢層の割合を正確になぞる動きを示している。

 この世代の割合は2002年に急低下し始めた。ちょうど株式市場が変調を来した頃である。日本では、同じ現象が――そして株価の急落が――10年前に観察されている。

 人口構成は違う角度からも株価に大きな影響を及ぼす。このことは、筆者自身もベビーブーム世代の一員として断言できる。筆者には高校生の娘と今年大学に入る娘がいるため、向こう3~5年が貯蓄を大きく取り崩す時期に当たる。従って、今は株式投資には関心がない。株式が今いくら割安に見えたとしても、将来売却しなければならない時に今の2倍割安になっていないという保証はない。

 このことが、欧州の個人投資家の間で社債投資が人気を集めるようになった理由の1つではないかと筆者はにらんでいる(米国の個人投資家は、ずっと以前から社債の利点を理解していた)。

 ポイントは、優良企業の5年債を発行時に購入し、満期まで持ち続けるところにある。そうすれば、額面と同じ金額を必要な時に手にできるし、忌まわしいボラティリティーにも見舞われずに済む。

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