(2010年3月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
スペインはギリシャよりずっと経済規模が大きいだけに、財政再建の行方が注目される(写真は首都マドリードの夕暮れ)〔AFPBB News〕
スペイン中央銀行のミゲル・アンヘル・フェルナンデス・オルドネス総裁は自国が直面する課題の大きさを要約するのに、たったワンセンテンスしか必要としなかった。「残念ながら、我々は歴史的な瞬間に身を置いている」――。オルドネス総裁は先週、ある会議でこう述べた。
総裁は彼一流の厳しい態度で、公共支出の抑制と、400万人以上の失業者を生んだ労働市場の自由化を進めなければならないスペインの火急の課題に言及していた。
スペイン経済の競争力を高め、社会主義政権の緊縮財政計画に少なくともチャンスを与えるためには、歴史的な規模の改革が必要になる。
アテネで何が起きようとも、また、最終的にドイツなどの経済大国が危機に苦しむギリシャの救済を余儀なくされるか否かにかかわらず、市場が近くユーロ圏の脆弱な経済に改めて冷たい視線を向けるのは確実だ。
GDP(国内総生産)がギリシャ経済の4倍に上るスペインは、ソブリン債市場で厳しく精査され、恐らくは資金調達コストの上昇に見舞われる「財政出遅れ組」の中で圧倒的に規模が大きい。
財政赤字をGDP比3%に縮小する計画を打ち出したが・・・
スペインや欧州諸国にとって重大な問題は、スペイン政府が打ち出した「安定化計画」の信頼性だ。公務員の採用をほぼ凍結する措置など、大幅な政府支出削減を盛り込んだ同計画では、昨年GDP比11.4%だった財政赤字を2013年までに3%に縮小することを目指す。
また短期的な効果はないものの、スペイン政府は年金制度の財務の健全性を担保するために、定年を現行の65歳から67歳に引き上げる計画も提案した。
ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は厳しい春を迎える。というのも、エコノミストやアナリスト、外国人投資家の間では、安定化計画の実現性や、計画を実行する政府の意思と能力を確信している人が極めて少ないからだ。
「見かけばかりで中身は空っぽだ」。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのルイス・ガリカノ教授(経済学・戦略)はこう言い切る。「特に年金や公務員の問題については、大部分は政府の力だけでは実行できないアイデアにすぎない」
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